2017年05月21日

阿鼻叫喚


「阿鼻叫喚」の意味は,

「非常な辛苦の中で号泣し、救いを求めるさま。非常に悲惨でむごたらしいさま。地獄に落ちた亡者が、責め苦に堪えられずに大声で泣きわめくような状況の意から。『阿鼻』は仏教で説く八熱地獄の無間地獄。現世で父母を殺すなど最悪の大罪を犯した者が落ちて、猛火に身を焼かれる地獄。『叫喚』は泣き叫ぶこと。一説に八熱地獄の一つの大叫喚地獄(釜かまゆでの地獄)の意。」(『新明解四字熟語辞典』)

この意が転じて,

「甚だしい惨状を形容する語」

として,今日も使われる。『語源由来辞典』

http://gogen-allguide.com/a/abikyoukan.html

には,

「阿鼻はサンスクリット語『avici』の音写『阿鼻旨』の略で、『無間(ひっきりなしであることの意)』と漢訳する。『阿鼻地獄』や『無間地獄』と呼ばれる。八大地獄の中の第八の地獄で最下層に位置し,猛火に身を焼かれるなど最も責め苦が激しく,罪人は絶え間なく苦しみを味わう。叫喚は叫び声を意味するサンスクリット語『raurava』の漢訳で,『叫喚地獄』と呼ばれるもののこと。八大地獄の中の第四の地獄で,熱湯の大釜で茹でられたり,猛火の鉄室に入れられたりする。阿鼻叫喚は『阿鼻地獄』と『叫喚地獄』を合わせた仏語で,地獄の激しい責め苦に合って泣き叫ぶ様子から,災害など非常にむごたらしい様子のたとえとして用いられるようになった。」

とある。

地獄草紙.jpg

(地獄草紙)


「阿鼻地獄」は,

「八熱地獄(八大地獄)の一つ。無間地獄(むけんじごく)ともいう。最悪の地獄で,父を殺すなどの 5種類の最悪の罪(→五逆罪),正しい教えを非難攻撃する罪を犯した人間の赴く地獄とされ,絶え間なく苦痛を受けそれを逃れることができないとされる。阿鼻叫喚地獄,阿鼻焦熱地獄ともいう。」(『ブリタニカ国際大百科事典』)

で,八大地獄は,

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%A4%A7%E5%9C%B0%E7%8D%84

に詳しいが,経典により,階層構造のものあり,巡回構造のものありで,たとえば,階層構造なら,

「最下層に無間地獄(むけんじごく)があり、その縦・広さ・深さは各2万由旬ある。その上の1万9千由旬の中に、下から大焦熱・焦熱・大叫喚・叫喚・衆合・黒縄・等活の7つの地獄が重層している」(倶舎論),

巡回こうぞうなら,

「八熱地獄は階層構造ではなく、十地獄ともども世界をぐるりと取り囲む形で配置されている。その名は第一地獄から順に、 (1) 想地獄、 (2) 黒縄地獄、 (3) 堆圧地獄、 (4) 叫喚地獄、 (5) 大叫喚地獄、 (6) 焼炙(しょうしゃ)地獄、 (7) 大焼炙(だいしょうしゃ)地獄、 (8) 無間地獄である」(長阿含経)

と,なっているようである。五逆とは,

「小乗では殺母・殺父・殺阿羅漢・出仏身血(仏身を傷つけること)・破和合僧(教団を乱すこと)をいう。大乗では、寺塔や経像などの破壊、三乗の教法をそしること、出家者の修行を妨げること、小乗の五逆の一つを犯すこと、業報を無視して悪行をなすことをいう。」(『大辞林』)

で,

主君・父・母・祖父・祖母を殺す罪,

をも指す。「叫喚地獄」は,

「八熱地獄 (または八大地獄) の一つ。叫喚 raurava地獄とは,熱湯の煮えたぎる大釜や,大火の燃え盛る鉄室で苦しめられ,あまりの苦しさに泣き叫ぶことから名づけられている。そこは生き物を殺した (殺生) 者,盗み (偸盗) ,妻以外の女または夫以外の男とのよこしまな性交 (邪淫) ,飲酒の罪を犯した者がおもむくところという。」(『ブリタニカ国際大百科事典』)

とある。

そもそも「地獄」は,

「地獄(じごく、Skt:नरक Naraka、音写:奈落)とは仏教における世界観の1つで最下層に位置する世界。欲界・冥界・六道、また十界の最下層である。一般的に、大いなる罪悪を犯した者が死後に生まれる世界」

とされるが,このサンスクリット語で Naraka(ナラカ)といい、奈落(ならく)と音写されるので,後に,

「演劇の舞台の下の空間である『奈落』を指して言う」

ようになったとか。

「衆生が住む閻浮提の下、4万由旬を過ぎて、最下層に無間地獄(むけんじごく)があり、その縦・広さ・深さは各2万由旬ある。 この無間地獄は阿鼻地獄と同意で、阿鼻はサンスクリットaviciを音写したものとされ、意味は共に『絶え間なく続く(地獄)』である。
その上の1万9千由旬の中に、大焦熱・焦熱・大叫喚・叫喚・衆合・黒縄・等活の7つの地獄が重層しているという。これを総称して八大(八熱)地獄という。これらの地獄にはそれぞれ性質があり、そこにいる衆生の寿命もまた異なるとされる。」

これが,「阿鼻叫喚」の由来,ということになる。だから,繰り返しになるが,俱舎論によれば,

「まず八熱地獄があり,上から(1)等活,(2)黒縄(こくじよう),(3)衆合(しゆごう),(4)号叫,(5)大叫,(6)炎熱,(7)大熱,(8)無間(むげん)と重なっている。(1)は責苦をうけて息たえても息を吹きかえして再び責苦をうける地獄,(2)は大工の墨糸でからだに線をひかれ,そのとおりに切られる地獄,(8)は間断なくさいなまれる地獄で,原語アビーチavīciの音訳語〈阿鼻(あび)〉でもよばれる。」(『世界大百科事典』)

となるが,層を成す,というイメージよりは,めぐり,のイメージが強いのは,個人的なことかもしれない。

参考文献;
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%A4%A7%E5%9C%B0%E7%8D%84
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%8D%84_(%E4%BB%8F%E6%95%99)


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