2017年06月05日

てきぱき


「てきぱき」は,

物事を手際よく迅速に処理するさま,

の意で,

てきぱき(と)かたづける,
受け答えがてきぱき(と)している,
てきぱきした対応,

といった言い回しで使う。

効率的に手際良く,
効率的,
手っ取り早く,
ぱっぱと,
能率的に,

といった言葉が類義語になる。しかし「テキパキ」と片仮名表記すると,

サクっと,
サクサクと,
コツをつかんでいる,よく心得ている,
チャッチャ
処理能力が高い,
きびきびと,
小気味良く,
機敏に,
きれが良い,
そつがない,
洗練されている,
熟達した,
お手のもの,

という類義語になる。 単に手際よいだけでなく,その動作の切れ味や機敏さがより強調された感じになるようである。

『岩波古語辞典』には見当たらないが,『江戸語大辞典』には,

手際よく敏速なさま,

として,

「兎角てきぱきと早手まわしな事がはやる世の中」(浮世風呂)

と用例が載る。『擬音語・擬態語辞典』によると,江戸時代には,

てきはき,

という言い回しもされたようで,

「てきはきと天気にならぬ」(和英語林集成)

という例が載る。

『大言海』には,「てきはき」という項で載る。

提起發起,

と当てて,

値遇反遇(ちぐはぐ),七轉八倒(ぢたばた)等々と同趣,

と載る。「てきぱき」も,「ちくはぐ」「じたばた」と同様,

擬態語,

という意味である。「てきぱき」は,『擬音語・擬態語辞典』には,

無駄なく手際よく物ごとをすすめ,こなしていく様子,

と同時に,

言葉や態度が明確である様子,

とある。「テキパキ」の表記は,後者を指すときによく使われる。

「しっかりとした口調でテキパキと話す女性」

と言ったように。で,その使い方は,

「はきはき」

が類義語になる。

「『てきぱき』は主に動作に関して明確であることを言うのに対し,『てきはき』は応答など発音が歯切れのよいことを言う語」

となる。

ついでに,「ちぐはぐ」は,

対のものが不ぞろいだっり,不調和だったりする様子,

の意で,江戸時代,

「ちぐはぐの顔は貰った桟敷なり」(誹風柳多留)

と,人から譲り受けた桟敷で芝居を観ている人の不似合さを嗤った川柳がある。

「じたばた」は,

手足を激しく動かす,

という意の擬態語から,それをメタファに,

ある事態に直面して慌てふためいたり,窮地を逃れようと焦ってもがく様子,

へと転んじた。だから,

七転八倒,

の字を当てたのだろう。「どたばた」「ばたばた」「あたふた」は類義語だが,

「どたばた」「ばたばた」

は,「じたばた」に似て,動作からのメタファで,

慌てている様子,

になるが,「あたふた」は,

心の中の動揺,慌て振り,

という心情表現から,慌てている様子に転用された,と見ることができる。「おたおた」も似ているが,

「『あたふた』は,うろたえてはいるがすぐさま行動に突っ走っていく様子であるのに対し,『おたおた』は,ただうろたえているだけで何もできない様子」

となる。

参考文献;
大槻文彦『大言海』(冨山房)
山口仲美編『擬音語・擬態語辞典』(講談社学術文庫)
前田勇編『江戸語大辞典 新装版』(講談社)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm

今日のアイデア;
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