2017年10月12日

ついで


「ついで」には, 『広辞苑』をみると,

序で,

と当てる名詞の場合,

「ツイヅの連用形から」

となり,

順序,次第,
よいおり,機会,

という意味となり,「ついず(序・叙)」は,

次第を立てる,順序を定める,

意となる。

次いで,
尋いで,

と当てる副詞の場合,

「ツギテの音便」

となり,

続いて,ほどなく,

という意味で,接続詞として使われると,

次に,それから,

という意味になる。さらに,

序でに,

と,副詞として使う場合は,

そのおりに,その機会に乗じて,

という意味になる。明らかに,同系とみられるのに,目名詞と副詞では,語源が,

ツイヅの連用形から,

ツギテの音便,

と二説にわかれる。語源が異なるということなのかもしれない。『大言海』も,名詞「ついで」は,

次序,
次第,

と当て,

「ツギツの音転」

とし,副詞「ついで」は,

尋,

と当て,

「次ぎての音便轉」

とする。つまり,「ついで」の「ツギツの音転」とある「つきづ」とは,

「次ぎ出づの音便約」

とあり,

つぎいづ→ついづ→ついで,

と転じていったことになる。つまり,

次いで出る,

という意味である。

「ついで」は,

次ぎての転,

とあるので,

つぎて→ついで,

で,

順序,

を意味する。同じようだが,「つぎづ」は,

次いで出る,

という「出る」動作に焦点が当たっているのに対し,「つぎて」は,

次て,

という,次の順番という,順序に焦点が当たっている,ということになる。『岩波古語辞典』には,つぎて,は,

序,

と当てて,

「ツイデの古形」

とある。しかし,『岩波古語辞典』は,「ついで(次・序)」について,

「ツギ(継)テ(手)の音便形。一つのことの次は何と順序を付けること。また一つのことの次に起こることの意」

として,動詞「ついで(づ)」は,名詞の動詞化と見なしている。この説によれば,

継手,

つまり,物の「継なぎ目」が語源ということになる。『日本語源大辞典』は,

動詞ツイヅの名詞形(小学館『古語大辞典』),
ツギテ(続手)の音便形(雅言考・日本語源=賀茂百樹),
ツギテ(継手)の音便形(岩波古語辞典),
次々に出る意で,ツギデ(次出)の義(日本釈名),

と,ほぼ別れる。しかし,継手という概念は,抽象度が高い。

次いでいく,

という状態表現が先と,見るのが妥当なのではないか。『日本語源広辞典』が,

「ツギテ(次ぎて)」

を語源として,

「名詞としては,次第の意です。転じて,よい機会の意となります。副詞としては,ツイデニとなり,『他のことをするときに一緒に』の意となります。」

とするのが,常識的に思える。

参考文献;
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)
大槻文彦『大言海』(冨山房)
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)

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