2017年12月25日

サギ(鷺)


「サギ」は,

鷺,

と当てる。「鷺」の字は,

「『鳥+音符路』で,透き通るように白い鳥の意」

とある。因みに「路」の字は,

「各は『夂(足)+口(固い石)』からなり,足が石につかえて,ころがしつつ進むことを示す。路は『足+音符各(ラク・カク)』で,もち連絡みちのこと」

である。

DSC05935 - コピー.JPG


「サギのうち羽が白いダイサギ・チュウサギ・コサギ・アマサギ(アマサギは冬羽のみ)は白鷺(しらさぎ)と呼ぶことがある。」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AE

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ダイサギ Ardea alba


なので,白い鷺から来た名ということになる。日本に19種が生息するそうで,日本では,アオサギ,ゴイサギ,ダイサギなどを見ることが出来るが,ゴイサギやアオサギから来たものではないらしい,ということになる。

『大言海』は,

「白羽の鮮明(サヤケ)の意に通ずるか,尚,考ふべし。イサギヨキ意との説もあれど,イサと,キヨシと合したる語なれば,肯けがわれず」

と,している。『日本語源広辞典』は,

「精ゲ(しらげ・白げ)の変化。シラゲ→サゲ→サギと変化をたどれます。シラサギ,ワカサギのこと」

とする。『日本語源大辞典』も,

白くてイサギヨキ(浄)義(日本釈名・柴門和語類集),
サケ(白毛)の義。サはシラの反(言元梯),
白い意のシラゲリの反(名語記),

と,白さから来ているものが多いが,その他にも,

サケ(細毛)の転(日本古語大辞典=松岡静雄),
その声のサヤギ(騒)から(東雅),
イサ(磯)キ(島または島を表す接尾語)からか(語源辞典-動物編=吉田金彦),

もある。『日本語の語源』は,

「田楽で一本足の竹馬の曲芸を『鷺足』という。サギ(鷺)とシギ(鴫)とは片足で佇立する習性があるところから,アシアゲ(足上げ)鳥と呼ばれた。『ア』の脱落,シア〔∫(i)a〕の縮約とでサゲ・サギ(鷺)となった。また,二つの母韻音節『ア』の脱落によりシゲ・シギ(鴫)に転音した。」

と,その生態からの由来を説く。これも面白いが,しかし,確か,ツル(鶴)も片足で立たなかったろうか?『語源由来辞典』

http://gogen-allguide.com/sa/sagi_tori.html

は,

「サギの語源には、羽が白いことから『サヤケキ(鮮明)』の意味とする説。 鳴き声が 騒がしいことから、『サヤギ(騒)』の意味とする説。 『サケ(細毛)』や『サケ(白毛)』など、 羽毛に由来する説。『キ(ギ)』は『トキ』『シギ』などと同じく「鳥」を意味する接尾語で、『サ』が『白』を表し、『白い鳥』の意味とする説。 水辺の鳥なので、『イサ(磯)』に『キ(鳥を 表す接尾語)』が付いた説がある。」

と列挙するにとどめる。しかし,

「『キ(ギ)』は『トキ』『シギ』などと同じく「鳥」を意味する接尾語で、『サ』が『白』を表し、『白い鳥』の意味とする説。」

が,最も魅力がある。『日本語源広辞典』は「とり」の項で,

「ト(飛ぶ)+り(接尾語)」

としているのでなおさらである。しかし,「シギ」については,上記の説があり,「とき」も,

「ツキの転」(古事記伝・大言海),

とあり,

サ+ギ,
ト+キ,
シ+ギ,

説は留保ということだろう。

ところで,動物の中で唯一,五位の位を賜っているのは,鷺であるが,

「『平家物語』(巻第五 朝敵揃)の作中において、醍醐天皇の宣旨に従い捕らえられたため正五位を与えられたという故事が和名の由来になっている[1]。また、能楽の演目「鷺」はその五位鷺伝説」

に由来するのだという。それは,

「ある夏の日、時の帝が家臣たちと神泉苑で夕涼みをしている時、1羽の鷺を見つけ、蔵人(秘書)に捕らえるよう命令した。鷺は逃げ回ってつかまらない。そこで蔵人が「勅命であるぞ」と叫ぶと、鷺は羽を垂れ、神妙に地に伏したので、抱き上げて帝に差し出した。帝は深く感じ入り、鷺と蔵人に五位の位を授けた。勅命で鷺を放つと、うれしそうに舞い上がっていった。」(http://weekly-nagano.main.jp/2012/09/26-7.html

という。「五位」とは,

「位階の5番目。律令制では正五位と従五位とがある。昇殿を許される者の最下位で、袍(ほう)の色は淡い緋(ひ)。五位に叙せられることを叙爵(じょしゃく)という。」

とある。勅命に従っただけで,位を授けるというのを,粋とは言うまいが。

ゴイサギ.jpg

ゴイサギ


参考文献;
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%82%AE
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AE
大槻文彦『大言海』(冨山房)
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)
田井信之『日本語の語源』(角川書店)
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)
藤堂明保他編『漢字源』(学習研究社)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm

今日のアイデア;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/idea00.htm

ラベル:サギ
posted by Toshi at 05:32| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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