2018年04月16日

スイカ


「スイカ」に,『広辞苑』は,

西瓜,
水瓜,

を当てる。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%AB

によると,「スイカ」は,

「原産は、熱帯アフリカのサバンナ地帯や砂漠地帯。日本に伝わった時期は定かでないが、室町時代以降とされる。西瓜の漢字は中国語の西瓜(北京語:シーグァ xīguā)に由来する。日本語のスイカは『西瓜』の唐音である。中国の西方(中央アジア)から伝来した瓜とされるためこの名称が付いた。」

とある。『広辞苑』も,

「スイは『西』の唐音」

とある。『日本語源広辞典』も,

「中国語で,『西域から伝わった瓜』が語源です。約四千年前エジプトで栽培,三世紀に中国に入り,日本には十六世紀に伝来したと伝えられます。」

とある。『たべもの語源辞典』には,

「『守貞漫稿』には,スイカは初め新羅から琉球に伝わり,薩摩に伝わった。日本に初めて植えたの寛永四年(1627)である,と書かれた。禅僧義堂(1325‐88)が『西瓜』という名称をその詩に使っているので,足利義満のころにスイカが渡って,その後絶えたのであろうともいわれた。京都にスイカがひろまったのは寛文から延宝(1661-81)のころで,江戸(東京)にひろまったのは万治(1658-61)以後と書かれている。…林立路『立路随筆』は,『西瓜は寛永年中(1624-44),西洋国より始めて渡る。薩摩に植えたので,さつま種を上品とす』とある。江戸に来たのが慶安の頃で,由比正雪の乱の翌年(1652),とある。ところが,飛喜百翁が千利休を招待したとき,スイカに砂糖をかけて出した。利休は,砂糖のかかっていないところを食べて帰って,門人に百翁は人を饗応することを知らない。スイカに砂糖をかけて出したが,スイカにはスイカのうまみがあることを知らないのだと笑った,という話がある(柳沢里恭『雲萍雑誌』)。千利休がスイカを食べていたとなると,秀吉時代にスイカが日本にあったことになる。スイカは,熱帯アフリカを原産とする。四千年以前にエジプトで栽培されていたことが壁画で明らかにされているといわれ,ギリシャ・ローマには一世紀の初め,ヨーロッパには一六世紀,一五九五年にイギリスに渡来,アメリカへはアメリカ大陸発見後,中国には十一世紀ころに,西戎回紇(せいじゅうかいこつ ウイグル)から伝来したと言われ,西方から伝わったことから『西瓜(シイグァ)』とよばれ,それが日本に伝わったてサイカとよばれたのがスイカと変化した。中国から日本に渡来したのは天正七年(1579)といわれる。」

とある。

中国語「西瓜(シイグァ)」→(西瓜の訓)サイカ →スイカ,

と転訛したということになる。「水瓜」と当てるについては,

http://gogen-allguide.com/su/suika.html

が,

「日本では『水瓜』とも表記されるが、当て字で、その由来は『スイカ』の音からや、英語 でも『watermelon(ウォーターメロン)』と称されるように、水分を多く含むためであろう。」

としているように,「スイカ」と転訛した後,当てたものと見られる。

因みに,「瓜」の字は,象形文字で,

「つるの間にまるいうりがなっている姿を描いたもので,まるくてくぼんでいる意を含む」

とある。

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和語「うり」は,『岩波古語辞典』は,

「朝鮮語ori と同源」

としているが,『大言海』は,

「潤(うる)に通ず(あるく,ありく)。實に光澤あり」

とし,『日本語源広辞典』も,

「ウルオウ(潤)の変化」

と,水分の多さから来ているとしている。「スイカ」を「西から来た」「瓜」とした所以である。

参考文献;
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)
大槻文彦『大言海』(冨山房)
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)
藤堂明保他編『漢字源』(学習研究社)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル:スイカ 西瓜 水瓜
posted by Toshi at 03:51| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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