2018年10月22日

三下


「三下」は,

三下奴(さんしたやっこ),

の略,

「三下奴」は,

ばくちの仲間で,最下位の者,

の意で,

三下野郎,

とも言う(『広辞苑第5版』)。『江戸語大辞典』の説明が正確である。

博奕詞,三下奴の略。博労中勢力の無い者,博徒の素人臭いぺいぺい者。賽の目の三以下を価値なしとするに因る,

転じて,

一般に取るに足らぬ者,

とある。さらに,

表番、下足番、使番などといった仕事を行う者を表す,

場合もある,という(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E4%B8%8B)。下っ端を指して,言うとみていい。

どうやら,

「賽の目の三以下を価値なしとする」

が語源らしい。『語源由来辞典』(http://gogen-allguide.com/sa/sanshita.html)には,

「三下は、博打打ちの間で下っ端の者をいった隠語。 サイコロ博打で、3より下の1や2しか出ないと勝ち目がないことから、目(芽)が出ない者を『三下・三下奴(さんしたやっこ )』というようになった。」

とあるし,

「語源は、博打が行われるさいの振られたサイコロの目数が三よりも下だったならば勝ち目がないというところから言われ始めた」

ともある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E4%B8%8B)ので,賽の目に由来があるらしい。

『日本語源大辞典』には,

「サイコロの目数が四以上の場合は勝つ可能性があるが,三より小さい場合には絶対勝てないところから,どうも目の出そうもない者を意味するようになったという」(すらんぐ=暉峻康隆)

と載る(『日本語源広辞典』も同趣)。

『日本語俗語辞典』(http://zokugo-dict.com/11sa/sansita.htm)には,江戸時代以降の言葉として,

「三下とは三下奴の略で、もともとは博打打の最下位の者や目の出そうにない者をいった(三下野郎ともいう)。これはサイコロの目が3以下の場合、勝てる見込みがないことによる。ここから博徒の下っ端のことを言うようになり、その流れでヤクザ(主に賭博を収入源としていたヤクザ)も下っ端の者、取るに足らない者を三下と呼ぶ。下っ端という意味では広く一般にも浸透し、主に当人が卑下したり、影で侮蔑する際に使われたが、近年若い世代の中には知らない者も多く、日常会話でほとんど使われない死語となっている。」

とある。確かにもはや死語ではある。

因みに,博徒の順位は,

貸元、代貸、出方(でかた),

とある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E4%B8%8B)。

『極道用語の基礎知識』(http://www.usamimi.info/~kintuba/zingi/zingidic-sa.html)には,

「ヤクザの最下級。若いもの、若い衆、若者。博徒の役職は貸元、代貸、出方と三段階あるのだが、それらのさらに下であるという意味。自らを卑下していう言葉であって、他人から言われた場合は喧嘩になるだろう。」

とある。上位の者が「三下」と呼ぶのであって,上位と認めていないものからよばれれば,腹が立つ言い方ということだ。この順位は正確には,

貸元(親分)、代貸(だいがし)、本出方、助出方、三下,

の順で,三下はさらに,

中番、梯子番、下足番、木戸番、客引、客送、見張,

等々に分かれる,とか(http://www.web-sanin.co.jp/gov/boutsui/mini03.htm)。また的屋(露天商等を主たる事業とする)の場合は,

張元、帳脇、若衆頭、世話人、若衆

等々に分かれるという(仝上)。

因みに,「貸元」は、

「紙芝居師に紙芝居を貸す元締、もしくは丁半賭博場の経営者。送り仮名を入れた『貸し元』とも書く。この貸し付ける現金を『廻銭(かいせん)/駒(こま)』と呼ぶ。カラス金(一日1割)、トゴ(十日5割)、ヒサン(一日3割)などと呼ばれる違法な高利がほとんどである」

とある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%B8%E5%85%83)。

「代貸」は,

「博徒の階級の1つで、貸元(親分)の補佐役であり、代貸しは賭博を開帳するに当たり、一切の責任者となり、もし間違いがあった場合でも、親分の名前は絶対に出さないという現場におけるヤクザの責任制度~身代わりの常備機構であったわけです。」

とある(http://www.web-sanin.co.jp/gov/boutsui/mini14.htm)。

「出方」は,

「上着を預かったり、お茶を出したり、灰皿を交換するなどの雑務に従事する」

とある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%B8%E5%85%83)。

その下の「三下」は,

「履物を管理する下足番や人の出入りを監視する張番(はりばん)をする」

ことになる(仝上)。

どの世界も厳しい身分社会で,江戸時代という身分社会を反映しているようだ。

参考文献;
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)
前田勇編『江戸語大辞典 新装版』(講談社)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル:三下 三下奴
posted by Toshi at 04:40| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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