2019年08月04日


「株」は,

伐り倒した木の残った幹,または根,

つまり,

切り株,

の意であるが,

稲の株,

のように,

植物の何本かが一緒になった根元,

の意,あるいは,

株分け,

のように,

根株を分ける,

意味をメタファにして,江戸時代,

株仲間の組合員の独占した権利,

転じて,

営業上,職業上の特権,

の意になり,更に,

相撲の年寄株,
御家人株,
同心株,

というように,売買される,

役目,身分,名跡,

の意となり,

そこから,いわゆる,

株券,
株式,


の意として使われるに至っている。この経緯を,語源由来辞典は,

株式の「株」は、木を切った後にずっと残っている根元のこと。 株の「ずっと残っている」 という意味から、世襲などによって継続的に保持される地位や身分も「株」というように なった。 そこから、共同の利権を確保するために結合した商工業者の同業組合を『株仲間』と呼ぶようになり、出資の持分割合に応じた権利が保持されることを『株式』と呼ぶようになった,

とまとめている。

さて,「かぶ」の語源であるが,岩波古語辞典は,

株,
頭,

と当て,

「カブラ(蕪)・カブヅチのカブと同根。塊になっていて,ばらばらに離れることがないもの」

としている。

「かぶり」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/463972279.html
「あたま」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/454155971.html

で触れたように,「あたま」は,

かぶ→かしら→こうべ→(つむり・かぶり・くび)→あたま,

という転訛した。その「かぶ」は,「すずな」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/465179244.html)で触れたように,後世,

かぶら(蕪菁,蕪),

と呼ばれる。「かぶら」は,

かぶらな(蕪菜)の略,

で,「かぶらな」は,

「根莖菜(カブラナ)の義」

とあり(大言海),「かぶら」は,

根莖,

と当て,

カブは,頭の義。植物は根を頭とす,ラは意なき辞,

となる(大言海)。「かぶ」は,

あたま(頭),
かぶ(蕪),
かぶ(株),

と同源であり,「かぶと」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/451755286.html)で触れたように,

「頭蓋(カブブタ)の約転(みとらし,みたらし。いたはし,いとほし)」(大言海),
「カブ(頭,被る,冠)+ト(堵,カキ,ふせぐもの)」(日本語源広辞典),
「『かぶ』は頭の意と考えるのが穏当であろうが,『と』については定説を見ない。」(日本語源大辞典),

と,

かぶと,

とも重なる。語源由来辞典は,

「アブラナ科の『カブ( 蕪)』と同源で、『かぶ(頭)』のことと思われる。 『頭』を意味するのは、木を切って残った部分ではなく、根の上が頭を出しているといった認識によるものであろう」

と解釈している。

参考文献;
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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