「じだんだ」は,
地団駄,
地団太,
と当てる。「じだんだ」は,
ジタタラ(地蹈鞴)の転,
とか,
「じたたら(地蹈鞴)」の音変化,
とある(広辞苑,デジタル大辞泉)。「じたんだ」は,
地団駄を踏む,
という言い回しで使う。
足で地を何回も踏みつける,
状態表現だが,
悔しがって足を踏み鳴らす様子,
あるいは,
怒りもがいて激しく地面を踏む,
意で使う。室町末期の日葡辞書にも載る。
地蹈鞴を踏む,
の転訛で,
地団駄をふむ,となったものらしい。
「地蹈鞴」とは,
じたたら,
じだたら,
じただら,
とも訓ます。
蹈鞴(たたら),
と同じ意味である。語源由来辞典は,
「激しく地面を踏み鳴らすさまが,蹈鞴を踏む仕草に似ていることから『地蹈鞴(じだたら)』と言うようになり,『地団駄(じだんだ)』に転じた。『じんだらを踏む』『じんだらをこねる(地団駄を踏んで反抗する・駄々をこねる)』など,各地に『じんだら』という方言が点在するのも,『地蹈鞴(じだたら)』が変化したことによる」
としている。柳田國男も,
「尻餅をつき,両足を投げ出してばたばたさせることをいう関東方言のヂンダラ」
も同系統としている(日本語源大辞典)。
蹈鞴は,蹈鞴製鉄の意で,「たたら」という文字は,
「『古事記』(712年)に『富登多々良伊須々岐比売命ほとたたらいすすきひめのみこと』、『日本書紀』(720年)では『姫蹈鞴五十鈴姫命ひめたたらいすずひめのみこと』と出てくる」
のが初見とされる(http://tetsunomichi.gr.jp/history-and-tradition/tatara-outline/part-1/)ほど,
「日本において古代から近世にかけて発展した製鉄法で、炉に空気を送り込むのに使われる鞴(ふいご)が『たたら』と呼ばれていたために付けられた名称。砂鉄や鉄鉱石を粘土製の炉で木炭を用いて比較的低温で還元し、純度の高い鉄を生産できることを特徴とする。近代の初期まで日本の国内鉄生産のほぼすべてを担った」
とある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%82%89%E8%A3%BD%E9%89%84)。
(踏み鞴による送風作業(『日本山海名物図会』)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%82%89%E8%A3%BD%E9%89%84より)
「蹈鞴」は,大言海は,
「叩き有りの略轉,踏み轟かす義」
とするが,
板を踏んで風を送るときの音から(瓦礫雑考),
鉱石を爛らかし熔かす器具デアルトコロカラ,タタはタダレ(爛れ)の語幹,ラは接尾語(日本古語大辞典=松岡静雄),
などもあり,擬音説は捨てがたい気がする。
「蹈鞴」については,
蹈鞴を踏む,
という言い回しがある。
蹈鞴を踏んで,空気を送る,
意と,
勢い込んで打ちまたは突いた的が外れたため,力が余って,空足を踏む,
意で使う(広辞苑)が,これよりは,
よろめいた勢いで,勢い余って数歩ほど歩み進んでしまうこと,
足踏みすること,
という意味(実用日本語表現辞典)の方が実態に近い。
「から足を踏む」 動作と 「蹈鞴を踏む」 動作が同一視できるものなのかどうか,ちょっと疑問に思える,
という印象(https://mobility-8074.at.webry.info/201610/article_21.html)がなくもないが,
「たたらを勢いよく踏むさまが、空足を踏む姿と似ていることから、勢い余って踏みとどまれず数歩あゆむことを『たたらを踏む』というようになった」
ということでいいのかもしれない(語源由来辞典)。
参考文献;
大槻文彦『大言海』(冨山房)
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)
ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95
この記事へのコメント