2019年09月21日

甘酒


「甘酒」は,

醴,

とも書く。

「白米を柔らかい粥のように炊き,少しさめたときに麹を加えて混ぜ合わせ,醸して甘くした飲み物」

である(たべもの語源辞典)。

甘い,

から「甘酒」という,らしい。

「麹を加えて醸してつくるのでアルコール(酒精分)は少ないが酒と呼ばれる」

ともある。「甘酒」には,いまひとつ,

「酒粕をとかして甘みをつけたものも」

あり,

「醸して一夜を経て甘酒とするので一夜酒(ひとよざけ)ともいう」

とある(仝上)。つまり,「甘酒」は大きくわけて二つの種類があり

ご飯やお粥に米麹を混ぜて醸造したノンアルコールのもの,

酒粕を使ったアルコールを含むもの,

と。前者は,甘粥,とも呼ばれる。

「甘酒」は,

「甘酒、昔は酒蔵が夏に手が空いた時期の副業として作られていた」

らしい。

「酒蔵が甘酒を副業として作る理由としては、作る工程が似ていることから夏の閑散期に作ろうという流れとなりました。清酒の工程は、まずお米を蒸します。蒸した米のでんぷん質を麹菌が糖分に分解、酵母菌がその糖分を栄養源にしてアルコール発酵し、出来たもろみを搾ると酒と酒粕に分かれ濾された酒が清酒となります。一方で甘酒は、蒸した米のでんぷん質を麹菌が糖分に分解し出来上がります」

とかhttps://www.kayamasyuzou.com/amama/blog/2018/02/01/

中国では西暦紀元前後の前漢の歴史を記した『漢書』(班固編)に醴酒の名で登場するらしい。そして甘酒は「醴斉」と呼ばれ,神を祭るのに用いる酒である「斉」の一種として扱われ、一般に人が飲用する「酒(シュ)」とは区別されていた,とかhttp://www002.upp.so-net.ne.jp/hidemi-k/thought/t074.html

日本では,

「木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が醸した天甜酒(あまのたむざけ)はいまの甘酒であろう」

とされるとか(たべもの語源辞典)。また,

「応神天皇の十九年十月十日に吉野宮に行幸されたとき,国栖(くず)の人が醴酒(こざけ)を献じたとある」

のも,「甘酒」とみなされる(仝上)。

「古くから,濃酒(こざけ)・醴酒(こざけ)。口酒(こざけ)というように『こざけ』という語があるが,酒をつくるのに口で米を噛んだことが察せられる」

ともある。

醴酒が行商されるようになったのは室町時代からで,京阪ではもっぱら夏の夜だけ売ったが,江戸では初め冬のものとされ,やがて夏も売るようになり,後には四季を通して売られた,という(仝上)。ただ,俳句では,夏の季語である。

「夏に飲む場合は夏バテを防ぐ意味合いもあり、栄養豊富な甘酒は体力回復に効果的ないわば「夏の栄養ドリンク」として、江戸時代には夏の風物詩だった。『守貞漫稿』には、『夏月専ら売り巡るもの』が『甘酒売り』と書かれており、非常に人気がある飲み物であった。」

からのようである(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%98%E9%85%92)。江戸幕府は庶民の健康を守るため、老若男女問わず購入できるように,甘酒の価格を最高で4文に制限していた,という。甘酒造りは,武士の内職でもあった,とか(仝上)。

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(守貞漫稿「近世風俗志」甘酒売り http://xn--l8j4ao3n.com/history-3/より)

江戸時代の甘酒売りは,天秤棒の前に茶碗やお盆を、後ろの箱には甘酒を温めるため炭火を熾した炉に釜を据えて,

「甘い・甘い・あ〜ま〜ざ〜け〜」

などの文句で売り歩いた。

「こうした姿から、一方が熱くてもう一方が冷めている状態を『甘酒屋の荷』と称して『片思い』を連想させる洒落た喩え言葉も生まれました」

ともあるhttp://www.hananozaidan.or.jp/syunnohanasi_09.html

「江戸中期天明(1781~89),江戸横山町などで『三国一』とか『白雪醴』という名をつけて甘酒が売られたのは,木花咲耶姫が富士浅間神社の祭神だからである。神社仏閣の境内,縁日祭礼の盛り場などで販売されるようになったのは,天保(1830~44)のころからで,浅草本願寺門前の甘酒店は最も名高かった」

とある(たべもの語源辞典)。

参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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posted by Toshi at 04:22| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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