2019年10月22日

つつしむ


「つつしむ」は、

慎む、
謹む、

と当てる。「慎む」「謹む」を区別して、

(慎む)調子に乗り過ちを犯さぬよう、行動を控えめにする。
(謹む)敬意を表し、畏まる。

とかhttps://ja.wiktionary.org/wiki/%E3%81%A4%E3%81%A4%E3%81%97%E3%82%80

「慎む」・・・過ちを起こしたり、限度を越さないように抑えめにすること
「謹む」・・・相手に敬意を表して、かしこまった態度をとること
「慎む」は自分も含めてある人が失敗しないための表現、「謹む」は相手を尊重するための表現として使います。

とかhttps://eigobu.jp/magazine/tsutsushimu

「謹む」とは、かしこまって相手に敬意を示すことを指します。
一方、「慎む」とは、言動を控えめにして度が過ぎないようにすることを指します。

とかhttps://gimon-sukkiri.jp/respect-careful/

というのは、和語「つつしむ」に「慎」「謹」を当てたのちの、あと解釈に思われる。「つつしむ」という和語に、両漢字を当てた時は、区別をつけていたとは思われない。

ちなみに、「慎(愼)」(漢音シン、呉音ジン)は、

「会意兼形声。眞(シン 真)は、欠け目鳴く充実したこと。愼は『心+音符眞』で、心が欠け目なくすみずみまで行き届くこと」

とあり、「つつしむ」「念を入れる」「欠け目なく気を配る」等々のいである(漢字源)。「謹」(漢音キン、呉音コン)は、

「会意兼形声。菫(キン)は、『動物の頭+火+土』からなり、かわいた細かい土砂のこと。謹はそれを音符とし、言を加えた字で、細かく言動に気を配ること。こまごまと小さい、の意を含む」

とあり、「つつしむ」意だが、「細かに気を配ってくる狂いや漏れのないようにする」とあり、気配りが「愼」よりも細心になっている(仝上)。「つつしむ」意の漢字は多いが、その使い分けは、

「謹」は、一筋に念を入るる着、細かに、抜け目なきなり。細謹、謹信と用ふ、
「愼」は、内ば(控え目、内気の意)にして、用心する義、敬に近けれど、大事に用心するのみにてあがめる意はなし、
「敬」は、コトをやまひ、大切にするなり、礼記の註に「貌ニ在ルヲ恭トナシ、心ニ在ルヲ敬トナス」とあり、
「恭」は、行儀正しく、つつしむこと。容貌のつつしみは恭なり、心のつつしみは敬なり、
「粛」は、つつしみのきびしくして、まちがひのなき義。

とあり(字源)、「謹」に「敬う」意はない。後のこじつけに過ぎない。むしろ「愼」が「敬」にちかい。

さて、和語「つつしむ」は、岩波古語辞典は、

「ツツはツツミ(包)と同根。物のまわりをすっぽり包む意。シミは、シミ(凍)・シメ(締)と同根。きつく締める意。自分の身を包み込み引き締める意。類義語イミ(忌)は、タブーに触れないように心がける意。カシコミは、畏敬すべき物に対して恭順の意を表す意」

とあり(広辞苑も同じ)、日本語源広辞典は、

「ツツ(包むの語幹)+シム」

で、「心を包む意」とする。ま、「身を包む」か「心を包む」かの違いになる。

大言海は、

約(つ)め締む、

の意とする。日本語源広辞典は、

「ツメ(約)+しむ」

で、「心を詰めて引き締める」意と解釈している。

「つつむ」で触れたように、

「つつむ」http://ppnetwork.seesaa.net/article/467683799.htmlは,「苞(つと)」と同根であり,「筒(つつ)」ともつながるとすれば,「つつむ」は,

「苞」

の動詞化の可能性がある。「苞」は,

「ツツミ(包)のツツと同根。包んだものの意」

である(仝上)。その意味で、「心」を包むが、「約(つ)め締む」よりは、

つつしむ、

の含意を理解しやすい。多く、

ツツム(日本釈名・南留別志)、
ツツマシメ(包目)の義(名言通)、
ツツマシムル(包令)(和句解)、

と、「包む」と絡ませる説がある。その他、例えば、

ツツシミはツミ(罪)の語幹ツから出た形容詞ツツシに接尾語ミがついたもの(日本古語大辞典=松岡静雄)、
ツツシミはイツツシメの略で、五行をシムル意(蒪菜草紙)、
イツクシムルの略で、五行をシムル意。また、実のあるものは胴体が締まっているところから、ツツシム(筒卜)の義(志不可起)、
五行においては、金は土を締め、義の道を行うものであるところから、ツツは土の義、シムはシマル義(百草露)、

等々という語感は、「謹」の漢字からの解釈から「畏まる」意とリンクさせた感があり、到底原意とは思われない。

参考文献;
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)
前田富祺編『日本語源大辞典』(小学館)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

posted by Toshi at 04:59| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください