2020年03月12日

ゼンマイ


「ゼンマイ」は、

薇、
紫萁、

と当てる(広辞苑、大言海)。あるいは、ゼンマイの地下茎が狗の背骨に似ているとかで、

狗脊(くせい)、

と書いても、

ゼンマイ、

と訓ませるとある(たべもの語源辞典)が、俚言集覧には、

狗脊は別物なり、

とあり、さらに、牧野富太郎に言わせると、「ゼンマイ」に、

薇(び)、

と当てるのも、

薇はスズメノエンドウ(マメ科)の名、

というので、誤りとある由だが、一般には「ゼンマイ」に、「薇」を当てている(仝上)。

ゼンマイ.jpg



「ゼンマイ」は、

新芽が平面上の螺旋形(渦巻き形)になる。その表面には綿毛が被さっている。スプラウトとして食用にするには根元を折り、表面の綿毛を取り去り、小葉をちぎって軸だけにし、ゆでてあく抜きし天日に干す。干しあがるまでに何度も手揉みをして柔らかくし、黒い縮緬状の状態で保存する。 天日で干したものを「赤干し」と呼び、松葉などの焚き火の煙で燻したものを「青干し」と呼ぶ、

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%82%A4

「ゼンマイ」の語源は、

新芽の渦巻から、平面の上の渦巻になっている形状のもの総じてぜんまいと称する、

ということhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%82%A4から、これを語源とする説が多い。たとえば、大言海は、

其芽、銭の大きさに巻けば錢巻(ぜにまき)の音便、

とする。あるいは、

小児のにぎりこぶしに似ているので、漢語で拳菜の名がある(日本語の語源)、
線+巻くの変化、渦巻きの形をしているから(日本語源広辞典)、

等々は、新芽の渦巻きからきていると見ていい。その他に、

シジメマキ(縮芽巻)の義(日本語原学=林甕臣)、
嫩芽が錢の形をして回転しているから錢舞が、ゼンマイになった、

等々もある。ただ、

機械のゼンマイに形が似ているから(名言通)、

とする説は、発条(ぜんまい)が「ゼンマイ」より先にあったことになるので、この逆で、発条(ぜんまい)が、

その形がゼンマイ(薇)の形に似ているから、繊巻あるいは漸巻(ぜんまい)、

とする説(嬉遊笑覧)から見て、薇と発条は前後が逆だろう。

ゼンマイの栄養葉の新芽。綿帽子の中は薄くツルツルした葉.jpg

(ゼンマイの栄養葉の新芽。綿帽子の中は薄くツルツルした葉 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%82%A4より)


たべもの語源辞典は、独自に、

「ゼンマイには、細いもの、綿のようなものがあって、それが綿の代用になり織物にされたり、手毬のシンになったりする。ここがゼンマイの特色で、もう一つの特徴は、巻いているということなので、繊巻と書かれた。それがゼンマイと転訛したものであろう。繊巻の繊はセンとよみ、巻は国訓マクで、センマク、これがゼンマイと転じた」

とする。嬉遊笑覧も、

繊巻、

と当てていたし、ゼンマイの綿毛を使った織物もある。

東北地方では、(中略)ゼンマイの新芽を採取した後、食用の茎と綿毛を分離するが、その綿毛を集めておいてゴミを取り除き、天日でよく乾燥させておく。夏頃に90度程度で蒸し上げ、それを乾燥させ、真綿や水鳥の羽毛を混ぜ合わせて糸を紡ぐ。縦糸・横糸のどちらかに綿糸や絹糸を用い、もう一方に前述の混合糸を使って布を織る。ゼンマイの布は保温性や防水性に富み、また防虫・防カビ効果もある。

とあるしhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%82%A4

ぜんまい綿、

として、

ゼンマイの綿毛を綿として使うゼンマイの綿。手まりや布団に使われる、

ともある(仝上)。ここは、

センマク(繊巻)→ゼンマイ、

の転訛説を採っておく。

参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル:ゼンマイ 紫萁
posted by Toshi at 04:42| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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