2020年03月19日
落花生
「落花生」は、漢名である。
らっかせい、
と訓むが、
らっかしょう、
が正しいのだとある(たべもの語源辞典)。大言海には、
らくくわしゃう、
で載る。
オニマメ、
南京豆、
唐豆、
南蛮豆、
等々とも呼ぶ。
宝永年間(1704~11)に中国南京から渡来した、
ためである(地錦抄附録)、という(仝上)。ために、
唐人豆、
異人豆、
等々とも呼ぶ(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%BB%E3%82%A4、仝上)。ただ延宝三年(1675)刊の黒川道祐の『遠碧軒記』に、
「落花生と云ものあなたより渡る。松の子の類なり。相云ふ、この花の露が地へ落て、その所へ此実なると云伝ふ。日本にて種もはゆるなり、近来渡る博愛心鑒に有と云」
とあるので、延宝以前に渡来した可能性もある(仝上)、とある。他に、
元禄(1688~1704)の末、中国商人が長崎に伝えたが地上で開花して地中で結実する不思議な植物なのであまり広まらなかった、
ともある(近代世事談)、という(たべもの語源辞典)。
「落花生」は、
草丈は25-50cm。夏に黄色の花を咲かせる。花が咲く前に自家受粉する。受粉後、数日経つと子房柄(子房と花托との間の部分)が(長柄状に)下方に伸びて地中に潜り込み、子房の部分が膨らんで地中で結実する、
とある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%BB%E3%82%A4)。漢名が、
落花生、
である所以で、
落下松、
落下参、
長生果、
地豆、
等々の漢名もある(たべもの語源辞典)。
松・参・長生は、いずれも栄養価の高いことを示したものである、
ともある(仝上)。
原産地は南アメリカ大陸である。最も古い出土品は、ペルーのリマ近郊にある紀元前2500年前の遺跡から出土した大量のラッカセイの殻である。また、紀元前850年頃のモチェ文化の墳墓にあった副葬品にラッカセイが含まれていることから、ラッカセイが生活の中で重要な位置を占めていたことが分かる、
とある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%BB%E3%82%A4)。その後、ヨーロッパにも紹介されたが、気候もあまり適さないことから、ヨーロッパでの栽培はあまり行われなかった、とある(仝上)。日本には、東アジア経由で伝来した。ただ、現在の日本での栽培種はこの南京豆ではなく、
明治七年(1874)勧業寮がアメリカのカリフォルニア州から種子を輸入したもの、
が現在の落花生の起源である(たべもの語源辞典)。
因みに、落花生とピーナッツは同じものであるが、
日本では主に皮の付いたものを「落花生」と呼び、皮をむいて味付けしたものを「ピーナッツ」と呼ぶことが多い、
とある(語源由来辞典)。「ピーナッツ」、
は英語peanutsに由来し、peaはえんどう豆の意、nutsはnut(木の実)の複数形、
である(由来・語源辞典)。
参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)
ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95
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