2020年04月21日

辛夷


「辛夷(コブシ)」は、

拳、

とも当てる。

モクレン科モクレン属の落葉広葉樹の高木、

である。漢名は、

日本辛夷(にほんしんい)、

日本では「辛夷」という漢字を当てて「コブシ」と読むが、これは花のつぼみを乾燥させた生薬名が辛夷(しんい)であるためである、

とされ、中国の辛夷は、

ハクモクレン(白木蓮)、
もしくは
モクレン(木蓮)、

のことを指し、

コブシの漢名とするのは誤りとされている、

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%96%E3%82%B7。白居易の詩、

北村尋古柏、南宅訪辛夷

の「辛夷」は、モクレンということになる。

こぶし.jpg


「辛夷」は別名、

ヤマアララギ、
コブシハジカミ、

ともよばれ、アイヌでは、

オマウクシニ、
オプケニ、

と呼ばれる(仝上)、とある。この花が咲くころに田打ちを始めることから別名、

田打ち桜、

ともいう(由来・語源辞典)、らしい。

辛夷の花.jpg


「木蓮(モクレン)」は、

木蘭、

とも当てる。中国では、

紫玉蘭、

と表記するが、

辛夷、木筆、望春、女郎花、

とも呼ばれる、

モクレン目モクレン科モクレン属の落葉低木、

であり、花が紫色であることから、

シモクレン(紫木蓮)、

の別名もあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%B3

ハネズ、
モクレンゲ、

とも呼ばれる(仝上)。

昔は「木蘭(もくらん)」と呼ばれていたこともあるが、これは花がランに似ていることに由来する。今日では、ランよりもハスの花に似ているとして「木蓮(もくれん)」と呼ばれるようになった、

とある(仝上)。中国南西部(雲南省、四川省)が原産地である。

英語圏に紹介された際に、Japanese magnolia と呼ばれたため、日本が原産国だと誤解されている、

とある(仝上)。

しもくれん.jpg


和名「コブシ」の由来について、大言海は、

コブシハジカミの下略む、とある。「コブシハジカミ」は、

莟(つぼみ)の形、拳の如く、實を食用とするに、味辛きこと、山椒(はじかみ)の如き義、

とする。「山椒」http://ppnetwork.seesaa.net/article/470965185.htmlについては、触れた。倭名抄にも、

辛夷、其子可噉之、古不之波之加美(生薑、蜀椒、山葵、芥などと列挙したり、實を食物に添えへて食ひしなり)、

とある。また、本草、陶注に、

辛夷、形如桃子、小時、気辛香、

とある(仝上)。

辛夷の實.jpg


定説がないが、

つぼみが開く前、開花の様子が小さな子どもの握りこぶしのように見える、
のか、
つぼみの形を握りこぶしに見立てた、
か、
果実(集合果)の形がでこぼこしていて、(子どもの)握りこぶしに見立てた、

のか、いずれも、

拳の形、

に由来するらしい。自分の目に見る限り、

果実(集合果)の形、

が、まさに、

握りこぶし、

に見えたのだが。

ハクモクレン.jpg


因みに、(ハク)モクレンとコブシの違いは、

白木蓮(ハクモクレン)
自生地:中国
花びらの枚数:9枚(咢を含める)
花びらの形:肉厚な花びら
花の向き:上向き

コブシ
自生地;日本
花びらの枚数:6枚
花びらの形:薄い花びら
花の向き:上向きや横向き、斜めなど様々

とかhttps://lovegreen.net/flower/p136919/

参考文献;
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル:辛夷
posted by Toshi at 03:58| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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