2020年05月22日

ゆず


「ゆず」は、

柚子、

と当てるが、「柚子」(ユズ)が日本語になったもの。「柚子」は、

柚の木の果実、

の意である(たべもの語源辞典)。だから、

柚、

とも当てる。

ユズの故郷は、中国の揚子江上流が原産といわれています。
わが国には唐の時代に北京地方から朝鮮半島を経て渡来したといわれていますが、日本にも古くから山口・徳島県に野生のユズが散在する。
また、奈良時代にはすでに、薬用や食酢としての利用を目的として、栽培されていたことが記録に残っています、

とあるhttps://www.kanazawa-market.or.jp/Homepage/mame/seika_yuzu.htmlが、中井猛之博士によって日本の柚子の原産地が発見された。

山口県阿武郡川上村字遠谷金山の森林地帯で同村大浴(おおえき)の絶壁上に群生しており、これは野生化ではないというので、昭和十六年(1941)に天然記念物に指定された、

とある(たべもの語源辞典)。つまり、これによれば、輸入ではなく、古くから自生していた、ということになる。もとは、何かと共に渡ってきたにしても。

ゆず.jpg


また、

柚の実、

ともいう。またの名を、

鬼橘(おにたちばな)、

ともいう(仝上)。倭名抄には、

柚、由、似橙而酢、

とある。室町末期の日葡辞書に、

「ユノス(「柚の酢)」の意味、

とあるのは、似た意味だろう。語源説に、

柚+酢、

という説がある(たべもの語源辞典、日本語源広辞典)のはそのせいだが、

ユノス→ユズ、

は、少し付会がすぎるのではないか。韓国で、

柚子(ユジャ)、

といい、

柚(ユ)の實(ズ)→柚子(ユウヅィ)→ユズ、

とする説もある(語源由来辞典、https://hananokotoba.com/yuzu/)が、「子」(呉漢音シ、唐音ス)から見て、強いて言うなら、

ユス→ユズ、

ではあるまいか。もともと、

ゆ、
ないし、
ゆう、

と呼んでいた。その「柚(ゆ)」の「子」である。「柚」の、

實を柚子、柚の實、

という(大言海)だけのことではあるまいか。

それに、「菓子」http://ppnetwork.seesaa.net/article/474306504.htmlで触れたように、「菓子」は、「くだもの」の意であったし、「くだもの」http://ppnetwork.seesaa.net/article/474323717.htmlで触れたように、

梨子、
檎子(ヤマナシ)、
柑子(カムシ)、
栗子、
杏子(カラモモ)、
㮈子(カラナシ)、
桃子、

等々、「子」を付けて果実・実の意を表していた。

桃栗三年、柿八年、柚は九年でなりかかり、

という言い方があり(仝上)、あるいは、別に、

桃栗三年柿八年、ユズの大馬鹿十八年、

とまでいうhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%82%BA。成長が遅いのである。

日本では古くから、

いず、
ゆのす、

といった呼び方があった、ともあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%82%BA

「柚」(呉音ユ、漢音ユウ)は、

会意兼形声。「木+音符由(抽 絞り出す、汁をしぼる)」

とあり(漢字源)、「ゆず」の意だが、

今は「ザボン」のこと、

とあるが(仝上)、

今の中国語で柚や柚子はブンタンを指している、

ともあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%82%BA。「ブンタン」は、

標準和名はザボン(朱欒、香欒、謝文)。ザンボア、ボンタン、ジャボンとも呼ばれる、

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%B3。いま、「ゆず」は、

蟹橙、
香橙、

と表記する(https://www.kudamononavi.com/zukan/kousan/yuzu、たべもの語源辞典)らしい。

日本では古くから、

「いず」、「ゆのす」といった呼び方があった、

ともある(仝上)。「ゆず」は、

家近くに植えることを忌み、その木ですりこぎをつくると化けるといったそうだが、これは榊を人家に植えるのを忌むのと同じことで、凡人には高すぎた神異の木と尊んではばかったのではないか、

とある(たべもの語源辞典)。

ユズ・収穫した果実.jpg

(収穫した果実 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%82%BAより)

芭蕉の「嵯峨日記」(宝暦三年(1753)刊)に、

柚の花やむかししのばん料理の間

とある(仝上)。

柚の花・いずの花・花柚・花柚子などとよんで、花は強い香りがあるので料理に用いられた、

とある(仝上)。寛政七年(1795)の「秉穂録(へきすいろく)」に、

ゆずの緑色なるをへぎて、盃に泛ぶるを、安芸の人、鴨頭とよぶとぞ、

とある(仝上)。中国地方でユズをコウトウというのは、この鴨頭のことである。青い柚子をへぎ切りにして浮かんださまが鴨の頭に似ているからで、香頭と書くべきものをしゃれて鴨頭と当てたのである。鴨をただしくはコウとはよまない、

とある(仝上)。「鴨」は、漢音オウ、呉音ヨウである。

参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル:柚子 ゆず
posted by Toshi at 03:47| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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