2020年07月09日

きりたんぽ


「きりたんぽ」は、

切蒲英、

と当てたりするhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BDが、

炊き立ての飯を擂鉢に入れて餅のようにつぶし、杉の棒に円筒状にぬりつけて焼き上げたもの、

とあり(広辞苑)、

鶏肉・牛蒡・芹などとともにだし汁で煮て、

食べたり(仝上)、

味噌を付けて焼いて、

食べたりするhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%BD

秋田地方の郷土料理、

とされるが、

県南部(由利本荘市、大仙市、横手市、湯沢市周辺)では、あまりなじみがある料理ではなかった、

とあり、

古くは、県北だけのもの、

であった(たべもの語源辞典)。南部は、山形県や宮城県などで広く行われている芋煮会の分布範囲であった(仝上)、とある。江戸時代の藩域と関係があるようである。

たんぽときりたんぽ鍋.jpg


「きりたんぽ」の由来は、

江戸時代に南部藩主が花輪地方を巡視されることになって、地元では饗応に何を出そうかと相談したところ、木こりや猟師たちの弁当にもっていく焼きめしがかろうということになった。それで「わっぱ」(弁当)の飯をこねて棒の先につけて焚火で焼いてみた。これは思いのほかおいしい。お喜びになった藩主が「これなるたべものは何という」と聞かれたとき、当意即妙に出た答えが「きりたんぽ」であった、

といわれている(たべもの語源辞典)。

短穂槍(たんぽやり:短い穂(ほ)のついたけいこ用のヤリ)に形が似(に)ていたのでとっさに「たんぽ」と答えた、

ともあるhttps://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0509/01.html

鹿角(かづの)の人々の山ごもりするときのタンポは長さ50センチくらいの棒に、こってりと飯を盛りつけた大型のきりたんぽ、

であり、

北秋田で秋田杉の木こりたちが弁当にもっていく飯でつくったものは、冷や飯を半殺しのぼた餅風に搗いて細竹に巻きつけて炭火でこんがり焼くもので、ご飯の焼竹輪といったもの、

であり、

県南では、新米に味噌を付けて焼くたんぽ焼をつくった、ウルチ米九にもちごめ一ほど混ぜて炊き上げたものを、すぐ擂鉢に移してスリコギで練る。半分搗き上げたものを竹の棒に竹輪のように巻きつけて、炉の火であぶり、こんがり焼いたきりたんぽは竹から外して、切るか、手で折って食べる、

である(たべもの語源辞典)。県南のものは後世の作り方で、もともとは、

冷や飯の利用法として工夫されたもの、

と考えられる(仝上)。

「きりたんぽ」の語源は、

たんぽつきの稽古槍に似ているのを適宜に切るところから(飲食事典=本山荻舟)、

という説が有力である。たんぽ槍とは、

綿を丸めて革や布で包んだ稽古用の槍で、単に「たんぽ」とも呼ぶ。この焼き上がった形がたんぽ槍に似ており、それを切って食べることから「きりたんぽ」とよばれるようになった、

というのである(語源由来辞典)。ただ、「たんぽ」は、

綿を丸めて革や布で包んだもの、

を指し、

稽古用の槍の頭につけたり、
拓本をとるとき墨を含ませたり、

するのに使うので、「たんぽ」は、別に、

たんぽ槍、

のみを指さない。むしろ、漢字では、

短穂、
あるいは、
打包、

と書き、

拓本を採るときに墨をつけて叩く道具、

でありhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%9D、中国由来である。

たんぽ.jpg


タンポ槍.jpg


たんぽと日本刀.jpg

(たんぽによる日本刀の手入れ http://www.katanakazi.com/utiko.html

中国では固く括ったものが用いられるが、日本では比較的柔らかめのものが好まれる、

とあり(仝上)、

綿などを布で包み、ボール状にして縛ってある部分を持ちやすいように棒状にする。昔は、かもじ(人毛)を真綿でくるんで紅絹(もみ)の布で包んで作った、

らしく、大きさは直径20センチメートルくらいのものから1センチメートルくらいまで用途に応じて作られる、とある(仝上)。

その「たんぽ」を流用して、タンポに砥石の粉末を内部に含ませて、日本刀の刀身を払拭するための、

刀剣用のタンポ

が生まれる。刀剣に「たんぽ」を打ち、

古い油を取っています。あの白い物の中には打ち粉と呼ばれる砥石の粉が入っているんです。その粉を刀身に軽く付けて紙で拭くことによって、砥石の粉が油を吸って刀身に塗ってある古い油を完全に取っているんです、

とあるhttp://www.katanakazi.com/utiko.html。さらに、槍術の練習用として、棒の先端にタンポをつけたのが、

たんぽ槍、

になる。その意味では、「たんぽ槍」ではなく、

たんぽ、

が由来と考えてもいい。しかし、個人的には、「竹輪」http://ppnetwork.seesaa.net/article/475520541.htmlの、

魚肉のすり身を竹などの棒に巻きつけて加熱した、

中心の棒を抜く前の状態に似ているように思う。

参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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posted by Toshi at 03:53| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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