2020年07月15日

赤福餅


「赤福餅」は、

伊勢の名物餡餅(あんもち)。餅を淡泊なこし餡でくるむ。餡の表面に五十鈴(いすず)川の清流をかたどり、2本の指型をつける。日もちのよいことが特色、

とある(日本大百科全書)。

あんころ餅、
あんころばし餅、

の一種である。「あんころ餅」は、

餡の上に転ばしたる意、

である(大言海)。

餅を小豆でできた餡で包んだもの。餡が餅の衣になっていることから「餡衣餅(あんころももち)」と呼ばれ、それが「あんころ餅」になったという説がある。おはぎ、牡丹餅と同一視されることもあるが、中身が完全な餅であるという点でそれらとは区別されていることが多い、

とありhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%82%93%E3%81%93%E3%82%8D%E9%A4%85

関西や北陸地方(特に京都・金沢)を中心に夏の土用の入りの日にあんころ餅を食べる風習があり、別名「土用餅(どようもち)」と呼ばれる、

ともある(仝上)。江戸時代、

疲れた旅人が食べやすい様に一口サイズになった、

ともいわれている(仝上)。ただ、「餡衣餅(あんころももち)」説については、

餡衣餅(あんころももち)は如何か、

と大言海は、疑問を呈している。

餡餅(あんもち)、

とも言うが、守貞謾稿には、

餡餅、今世、二種あり、一種は、餅を皮とし、小豆餡に砂糖を加へ、肉としたるなり、これを本とするなるべし、一種は、餅を中に、餡を以て包みたるものなり、俗に、餡ころ餅と云ふ、餡衣餅(アンコロモモチ)の略なるべし

と(仝上)、

餡を中に包んだ餅、
と、
餡で表面をくるんだ餅、

とを区別し(デジタル大辞泉)、「あんころ餅」は後者に当たることになる。

なお、「餡」http://ppnetwork.seesaa.net/article/475943050.htmlについては、触れた。

赤福餅.jpg

(赤福餅 https://www.akafuku.co.jp/より)


赤福経営者である濱田氏は、濱田ます(8代当主・種三の妻、企業としての赤福初代社長)の口述によると、先祖は応永年間(1394年~1427年)に宇治に移住して来た、

とされhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E7%A6%8F%E9%A4%85、「赤福」創業は、

宝永四年(1707)、

とあるhttps://www.akafuku.co.jp/ise/。同年の小説『美景蒔絵松』に、

伊勢古市の女が「(恋仲になった男が)赤福とやら青福とやら云ふあたゝかな餅屋に聟に入りを見向きもしなくなってしまい、その裏切りがくやしうて泣いております」と嘆いた、

とあり、これが「赤福」の屋号の初出である(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E7%A6%8F%E9%A4%85・たべもの語源辞典)。また、薗田守理『秘木草紙』に、

古老の話として、昔の赤福はささやかな店で、今の濱田氏と血縁のない浜田という老女が経営していた、

ともある(仝上)。ただ『宇治昔話』にももてはやされているので、創業は、

少なくとも宝永年間(1704~11)以前の創製、

と推測する説がある(たべもの語源辞典)。「赤福」とは、

「赤心慶福」(せきしんけいふく)、

に由来し、

赤とは赤心(まごころ)、福は幸福、つまり赤福とは、明るく清い心をもって人々が幸福を求める、

という意味で付けられた、とある(たべもの語源辞典)。「赤福」自体も、言い伝えによると、

京都から来たお茶の宗匠があんころ餅を「赤心慶福」と讃え、創業者の治兵衛がそれを聞き屋号と製品名に採用した、

としているhttps://www.akafuku.co.jp/contact/qa/。しかし、異説もあり、1895年(明治28年)の『神都名勝誌』は、

餡を入れた餅を大福と呼ぶ対比として、赤い餡をつけた餅であるから赤福と称した

と推察しているhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E7%A6%8F%E9%A4%85

初めは、

塩餡、

つまり、

塩で味つけをして練りあげた餡、

で、江戸後期に砂糖餡になった(仝上)。この時点では、

黒砂糖餡、

でありhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E7%A6%8F%E9%A4%85、白砂糖を使うようになるのは、明治末である(仝上)。

参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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