2021年02月24日

じゃがいも


「じゃがいも」は、

ジャガいも(芋)、

と表記するのは、

ジャガタラいもの略、

だからである(広辞苑)。

ジャバイモ、
オランダイモ、
カピタンイモ、

等々というのも、それとつながる(たべもの語源辞典)。

慶長年間(1596~1615)ジャカルタから渡来したから、

いう(広辞苑)が、「ジャガタラ」とは、

ジャカルタの呼称。近世日本ではジャワ島の意に誤解して、オランダ船がジャワ島から舶載した貨物にこの語を冠して呼んだ、

とある(仝上)。

バタヴィァ(Batavia)、

あるいは、

咬𠺕吧(からっぱ)

のことである(大言海)。

17世紀のバタヴィア.jpg


このため、

ジャガタラ縞(和漢三才図絵「咬𠺕吧柳條(じゃがたらじま)、紺與浅葱、縦横柳條木綿、俗称盲縞」)
ジャガタラみかん(ざほんのこと)、
ジャガタラ水仙(アマリリスの異称)、

等々と、ジャガタラを冠したものは少なくない。「じゃがいも」も、

ジャガタラいも、

と呼ばれたものの略称である。この由来には、「ジャガタラいも」説以外に、

ジャワ島の芋の意味のジャワイモが変化したもの、
天保の大飢饉ではジャガイモのおかげで餓死を免れたことから呼称された「御助芋」が転じたもの、

とする説もあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%A2

「じゃがいも」は、

馬鈴薯、

とも言うが、「じゃがいも」が渡来したのは長崎だが、全国に普及したのは、

明治七年(1874)アメリカから優良種イモが持ち込まれた、

以降とあり(たべもの語源辞典・日本語源大辞典)、そのせいか、

日本の行政では馬鈴薯と呼んでいる、

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%A2

「じゃがいも」の呼び名が、園芸学会、日本植物学会、日本土壌微生物学会では、

じゃがいも、

だが、日本育種学会、日本作物学会、日本植物防疫協会では、

バレイショ、

と呼ぶ(仝上)のは、日本において、

当初は観葉植物としての色合いが濃く、食用としてなかなか普及しなかった、

ことの反映でありhttps://www.jakitamirai.or.jp/nousantop/potato/potato2/、前者が植物としての名であり、後者は農作物としての名であり、「じゃがいも」が、本格的な農産物とされて以降かどうかに因るようである。

「馬鈴薯」の語源は、

マレーの薯の意https://ja.wiktionary.org/wiki/%E9%A6%AC%E9%88%B4%E8%96%AF
駅馬の鈴馬の尻繋(しりがい)につける球形または楕円球形の鈴)のように実がなるから(外来語の話=新村出後)、

等々がある。

中国の文献『松渓県志』(1700年)に「馬鈴薯菜依樹生掘取之形有大小略如鈴子色黒而円味苦甘」(意訳:馬鈴薯は、葉は樹によって生ず。これを掘り穫れば、形に大小ありてほぼ鈴の如し。色は黒く、丸く、味は苦甘し)との記述がある、

とありhttps://ja.wiktionary.org/wiki/%E9%A6%AC%E9%88%B4%E8%96%AF、そのため18世紀に小野蘭山が『耋筵小牘』(1807年)で、「じゃがいも」に、馬鈴薯を当てたものだが、これは、

まったくの別物(牧野富太郎博士)、

で、現在ではこの馬鈴薯は

アメリカホドイモであろうと比定されている、

とあるhttps://ja.wiktionary.org/wiki/%E9%A6%AC%E9%88%B4%E8%96%AF。漢名は、

洋芋、
または、
陽芋、

とされる(たべもの語源辞典)。ただ「馬鈴薯」の文字から、

馬につける鈴のように鈴なりにできる、

ことからこの漢字を当てたのではないか、と見られている(仝上)。英語のポテト(potato)の語源は、

タイノ族の言葉でサツマイモを意味するbatataがスペイン語のpatataに変化したもの、

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%A2

ジャガイモ.jpg

(ジャガイモ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%8Bより)

「じゃがいも」は、江戸時代以降、米の収穫に不利な山間・寒冷地での栽培が広まったため、地方名や地方品種も多い(仝上)。

ごしょいも(五升薯)、
ハッショウイモ(八升薯)、
にどいも(二度芋)、
さんどいも(三度芋)、

という(仝上・たべもの語源辞典)のは、収穫量を言っているのだし、

善太夫芋、
清太夫芋、
治助イモ、

等々というのは、ジャガイモの普及に尽力した人の名を取っている(仝上)。

参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

posted by Toshi at 04:49| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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