(高野の衆徒)御廟を掘り破つてこれを見るに、上人(覚鑁〈かくばん〉)、不動明王の形象(ぎょうぞう)にて、伽縷羅煙(かるらえん)の内に座し給へり(太平記)、
とある、
伽縷羅煙、
は、当て字で、正しくは、
迦楼羅炎(かるらえん)、
と表記、
不動明王の光背、仏法保護の鳥カルラが羽を広げた形に似るから、
とも(兵藤裕己校注『太平記』・広辞苑)、
迦楼羅の吐く炎、または迦楼羅そのものの姿、
とも(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%A6%E6%A5%BC%E7%BE%85)、
迦楼羅天の吐く炎そのものの姿(http://fukagawafudou.jugem.jp/?eid=768)、
ともあるが、
迦楼羅の吐く炎、
なのではないか。
「伽縷羅(かるら)」とは、
梵語ガルダ(Garuḍa)、
で、
インド神話における巨鳥で、龍を常食にする、
とある(広辞苑)が、
インド神話において人々に恐れられる蛇・竜のたぐい(ナーガ族)と敵対関係にあり、それらを退治する聖鳥として崇拝されている。……単に鷲の姿で描かれたり、人間に翼が生えた姿で描かれたりもするが、基本的には人間の胴体と鷲の頭部・嘴・翼・爪を持つ、翼は赤く全身は黄金色に輝く巨大な鳥として描かれる、
とある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%83%80)。
それが、仏教に入って、
天竜八部衆、
のちに、
二十八部衆、
の一として、
仏法の守護神、
とされる(広辞苑)。
翼は赤く全身は黄金色に輝き、つねに口から火焔を吐く、
とされ、
翼を広げると336万里にも達し、鳥頭人身の二臂と四臂があり、龍や蛇を踏みつけている姿の像容、
もある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%A6%E6%A5%BC%E7%BE%85)。仏教において、
毒蛇は雨風を起こす悪龍とされ、煩悩の象徴といわれる為、龍(毒蛇)を常食としている迦楼羅は、毒蛇から人を守り、龍蛇を喰らうように衆生の煩悩(三毒)を喰らう霊鳥、
とされている(仝上)
日本の、
天狗、
は、この変形を伝えたもの(仝上)とされる。「迦楼羅」はパーリ語ガルラ(Garuḷa)音写で、
迦楼羅天、
迦楼羅王、
あるいは、
食吐悲苦鳥(じきとひくちょう)、
と漢訳され(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%A6%E6%A5%BC%E7%BE%85)、
迦楼羅者、是金翅鳥(「法華義疏(7世紀)」)、
と、
金翅(こんじ)鳥、
ともいう(広辞苑・精選版日本国語大辞典)。なお、「八部衆」、「二十八部衆」については、
八部衆(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E9%83%A8%E8%A1%86)、
二十八部衆(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%85%AB%E9%83%A8%E8%A1%86)、
に詳しい。
(迦楼羅王(仏像図彙) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%A6%E6%A5%BC%E7%BE%85より)
ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95
ラベル:迦楼羅炎