2022年04月03日

四神相応


桓武の聖代(せいだい)、この四神相応(しじんそうおう)の地を撰んで、東山に将軍塚を築(つ)かれ、艮(うしとら)の方(鬼門)に天台山(延暦寺)を立てて(太平記)、

に、

四神相応(しじんそうおう)、

とあるのは、

東の青龍(せいりょう)、南の朱雀(すざく)、西の白虎、北の玄武の四神(しじん)に適合する地相、南に沼沢、西に長道、北に丘陵のある地、

と注記がある(兵藤裕己校注『太平記』)。つまり、

地相からみて、天の四神に応じた最良の土地柄、

という意味で、

左方(東)は青龍にふさわしい流水、右方(西)は白虎の大道、前方(南)は朱雀の汚地(おち くぼんだ湿地)、後方(北)は玄武の丘陵を有する、官位・福祿・無病・長寿を合わせ持つ地相、

であり(広辞苑・精選版日本国語大辞典)、

此の地の躰を見るに、左青龍、右白虎、前朱雀、後玄武、四神相応の地也、もっとも帝都を定るに足れり(平家物語)、

と、平安京の地勢はこれにあたるとされる(上記「桓武云々」は、その意味である)。また「四神相応」は、

四地相応(しちそうおう)、

ともいい(仝上)、

四神の中央に黄竜や麒麟を加えたもの、

は、

五神(ごじん)、
五獣、

と呼び、

中央を守護するものとして、五行(木火土金水)と対応するようにしたもの、

とあるhttps://dic.pixiv.net/a/%E4%BA%94%E7%A5%9E。黄竜(こうりゅう、おうりゅう)は、

四神の中心的存在、または、四神の長とも呼ばれている。四神が東西南北の守護獣なのに対し、中央を守るとされる。五行説で黄は土行であり、土行に割り当てられた方角は中央である、

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E7%AB%9C

九龍壁の黄竜(紫禁城).jpg

(九龍壁の黄竜(紫禁城) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E7%A5%9E%E7%9B%B8%E5%BF%9Cより)

麒麟(きりん)は、中国神話に現れる伝説上の動物だが、鳥類の長たる鳳凰と比せられ、対に扱われることが多い。戦国時代の『礼記』によれば、王が仁のある政治を行うときに現れる神聖な生き物「瑞獣」とされ、

鳳凰、
霊亀、
応竜、

と共に、

四霊、

と総称されているhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%92%E9%BA%9F

麒麟(三才図会).jpg

(「麒麟」(『三才図会(明代)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%92%E9%BA%9Fより)

なお、「四霊」(しれい)は、

四瑞(しずい)、

ともいい、

麟(りん、麒麟)・鳳(ほう、鳳凰)・亀(き、霊亀)・竜(りゅう、応竜)、

を言うhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E9%9C%8Aが、

四神と通用する(四神を四霊(もしくは天之四霊))、

とあり、あるいは四霊を、

四神、

と呼ぶことがある、とある(仝上)。ついでに、四霊の一種「応竜」(おうりゅう)は、中国神話では、

帝王である黄帝に直属していた竜。4本足で蝙蝠ないし鷹のような翼があり、足には3本の指がある。天地を行き来することができる、

とあり、水を蓄えて雨を降らせる能力があるとされhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%9C%E7%AB%9C、志怪小説『述異記』には、

泥水で育った蝮(まむし)は五百年にして蛟(雨竜)となり、蛟は千年にして竜(成竜)となり、竜は五百年にして角竜(かくりゅう)となり、角竜は千年にして応竜になり、年老いた応竜は黄竜と呼ばれる、

とある(仝上)。

応龍.jpg

(「応龍」(『山海経』) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%9C%E7%AB%9Cより)

さて、「四神」の、東方を守護する「青竜(せいりゅう、せいりょう)は、

長い舌を出した竜の形、

とされ、「靑」は、青山(せいざん)・青林(せいりん)の「靑」で、本来は緑色を指し、青は五行説では東方の色とされるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E7%AB%9C

青龍.bmp

(「靑龍」 精選版日本国語大辞典より)

西方を守護する白虎(びゃっこ)の白は、

細長い体をした白い虎の形、

をし、

四神の中では最も高齢の存在、

とされ(最も若いという説も)、五行説では西方の色とされる。

なお、漢代の文献には西方を白虎としないものもあり、『礼記』では虎のかわりに麒麟を四霊にあげているhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E8%99%8E

白虎(高松塚古墳の壁画).jpg

(白虎(高松塚古墳の壁画) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E8%99%8Eより)

白虎.bmp

(「白虎」 精選版日本国語大辞典より)

南方を守護する「朱雀」(すざく、すじゃく、しゅじゃく、しゅしゃく)は、

長生の神、

とされ、朱は赤であり、五行説では火の象徴で南方の色とされる。「朱雀」は、翼を広げた鳳凰様の鳥形で表されるが、中国古代の想像上の鳥である、

鳳凰、

とは異なる(同一起源とする説もあり、混同もある)。

朱雀.bmp

(「朱雀」 精選版日本国語大辞典より)

北方を守護する「玄武」げんぶ)は、

水神、

であり、玄は黒を意味し、黒は五行説では北方の色とされる。脚の長い亀に蛇が巻き付いた形で描かれることが多いが、古代中国では、亀は「長寿と不死」の象徴、蛇は「生殖と繁殖」の象徴で、後漢末の魏伯陽は「周易参同契」で、

玄武の亀と蛇の合わさった姿を、「玄武は亀蛇、共に寄り添い、もって牡牝(ひんぼ)となし、後につがいとなる、

と、陰陽が合わさる様子に例えているhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%84%E6%AD%A6

玄武.bmp

(「玄武」 精選版日本国語大辞典より)

玄武(高松塚古墳壁画).jpg

(玄武(高松塚古墳壁画) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%84%E6%AD%A6より)

因みに、「鬼門」http://ppnetwork.seesaa.net/article/482333758.htmlでも触れたが、北東(艮=うしとら 丑と寅の間)の方位を、

鬼門(きもん)、

といい、この逆の、南西(坤=ひつじさる 未と申の間)を、

裏鬼門(うらきもん)、

というが、

鬼門・裏鬼門、

を忌むのは日本だけであるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E7%A5%9E%E7%9B%B8%E5%BF%9C

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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