2023年07月25日

摩訶迦羅天(まかからてん)


仏法及(きゅう)文殊とか、多聞(たもん)摩迦羅(まから)天、山王(さんのう)及(きゅう)傳教大師、、慈覚環(じかくぐゑん)如来(梁塵秘抄)、

の、

摩迦羅(まから)天、

は、

摩訶迦羅天(まかからてん)、

の謂いかと思う。

摩訶迦羅天(まかからてん)、

の、

摩訶迦羅(まかから)、

は、

Mahākālaの音訳、

まかきゃらてん、

ともいい(精選版日本国語大辞典)、

マカは大、キャラは黒の義、

で(大言海)、

テン、

は、

天者如雜心釋、有光明、故名之為天(大乗義章)、

と、

梵語、提婆(Deva)、又素羅(Sura)、光明の義、

で(仝上)、転じて、

帝釈天、毘沙門天、辨財天、四天王、三十三天の類の如く、

一切の鬼神(神)を天といい(仝上)、

摩訶迦羅天(まかからてん)、

は、

大黒天、

のことである(精選版日本国語大辞典)。

大黒天(マハーカーラ) (2).jpg

(大黒天(マハーカーラ) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BB%92%E5%A4%A9より)

大黒天、

は、サンスクリット語の、

マハーカーラMahākāla、

の訳で、

摩訶迦羅(まかから)、

と音写。

マハーカーラ、

は、

偉大な黒い神、偉大な時間(=破壊者)、

を意味する(日本大百科全書)。元来、

ヒンドゥー教の主神の一つ、

で、青黒い身体をもつ破壊神としての、

シバ神(大自在天)、

の別名で、それが仏教に入って護法神となり、

毘盧遮那(びるしゃな)、
または、
摩醯首羅天(まけいしゅらてん)、

の化身という(精選版日本国語大辞典)。

“マハー”は大(もしくは偉大なる)、“カーラ”とは時あるいは黒(暗黒、闇黒)、

を意味し、

偉大なる暗黒(闇黒)の神、

なので、

大黒天、

と名づけられたhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BB%92%E5%A4%A9。その名の通り、青黒い身体に憤怒相をした神である。

摩醯首羅(まげいしゆら 大自在天)の化身で戦闘の神、

で、大日経疏においては、

毘盧遮那(びるしやな)仏の化身、

で、

灰を身体に塗り、荒野の中にいて荼枳尼(だきに)を降伏させる忿怒(ふんぬ)神である、

と説く(世界大百科事典)。

密教では、

青黒色、三面三目六臂、逆髪の忿怒形、

で、胎蔵界曼荼羅外院北方に配する(精選版日本国語大辞典)。

七福神の一つ、

である。

天部と言われる仏教の守護神達の一人、

で、

軍神・戦闘神、富貴爵禄の神、

とされた(仝上)が、中国においてマハーカーラの3つの性格のうち、財福を強調して祀られたものが、日本に伝えられた(仝上)。

大黒天.bmp

(大黒天 精選版日本国語大辞典より)

中国南部では、

床几(しょうぎ)に腰を掛け金袋を持つ姿、

で、

西方諸大寺處、或於食厨柱側、、或在大庫門前、彫木表形、或二尺三尺為神王状、坐把全嚢、却踞小床、脚垂地、毎将油拭、黒色為/形、號曰莫訶歌羅、即大黒神也(南海寄歸傳)、

と、

諸寺の厨房(ちゅうぼう)に祀(まつ)られた。わが国の大黒天はこの系統で、最澄によってもたらされ、天台宗の寺院を中心に祀られたのがその始まりといわれる(日本大百科全書)。

最澄は、

毘沙門天・弁才天と合体した三面大黒、

を比叡山延暦寺の台所の守護神として祀り、後に大国主神と習合した。

三面大黒天(摩訶迦羅天).jpg

(三面大黒天(摩訶迦羅天) 円泉寺 https://www.ensenji.or.jp/blog/1614/より)

その後、台所の守護神から福の神としての色彩を強め、七福神の一つとなり、頭巾(ずきん)をかぶり左肩に大袋を背負い、右手に小槌(こづち)を持って米俵を踏まえるといった現在みられる姿になり、

商売繁盛を願う商家、
田の神として農家、

においても信仰を集め、音韻や容姿の類似から大国主命(おおくにぬしのみこと)と重ねて受け入れられたことが大きな要因で、

福徳や財宝を与える神、

とされ、その像は、

狩衣のような服を着て、まるく低いくくり頭巾をかぶり、左肩に大きな袋を背負い、右手には打出の小槌を持ち、米俵の上にいる、

で、

大国主命を本地とする説が行なわれ、甲子の日をその祭日とし、二股大根をそなえる習慣がある(精選版日本国語大辞典)。

大黒さん、
大黒さま、
大黒天神、

などとして親しまれている(仝上・https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BB%92%E5%A4%A9)。

神田明神の大黒天像.jpg

(大黒天像(神田明神) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BB%92%E5%A4%A9より)

なお、「七福神」については触れた。

参考文献;
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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