2023年08月16日

持戒


法華経持(たも)てばおのづから、戒香(かいかう)涼しく身に匂ひ、経には是名持戒、行頭陀者(づださ)と説いたれば、佛(ほとけ)の道には障(さわり)あらじ(梁塵秘抄)、

の、

持戒、

は、

持律、

ともいい、

仏教の戒律を堅く守ること、

である(精選版日本国語大辞典)。

智慧によって欲望を制御して、悪を行わないように自覚的に実践すること、

である(ブリタニカ国際大百科事典)。「四衆」で触れたように、世俗人が実践すべき戒としては、

不殺生、
不邪淫、
不偸盗、
不妄語、
不飲酒、

の、

五戒、

があるが、出家者(比丘、比丘尼)は、『四分律』で、

男性の修行者は250戒、女性は348戒、

あるとされる(精選版日本国語大辞典)。ただ、「戒」は、

サンスクリット語のシーラśīla、

の訳語で、

自ら心に誓って順守する、

徳目であるとされる(日本大百科全書)が、「シーラ」は、

習慣性、

を意味し、

自分にとって良い習慣を身につける、

というのが持戒の意味https://www.nichiren.or.jp/glossary/id57/とある。これによって悟りの彼岸に至ることを、

持戒波羅蜜、

という(百科事典マイペディア)とある。

六波羅蜜、

のひとつである。「六波羅蜜」については、「禅定」で触れたが、

波羅蜜(はらみつ)、

は、

サンスクリット語のパーラミター pāramitāの音写、

で、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」は、

大乗仏教の求道者が実践すべき六種の完全な徳目、

布施波羅蜜(施しという完全な徳)、
持戒波羅蜜(戒律を守るという完全な徳)、
忍辱波羅蜜(にんにくはらみつ 忍耐という完全な徳)、
精進波羅蜜(努力を行うという完全な徳)、
禅定波羅蜜(精神統一という完全な徳)、
般若波羅蜜(仏教の究極目的である悟りの智慧という完全な徳)、

を指し、般若波羅蜜は、他の波羅蜜のよりどころとなるもの、とされる(仝上)。

持戒の対語が、

破戒、

である。なお、

戒香(かいこう)、

は、

持戒の人の徳が四方に影響することを、香の遠く匂うのにたとえた語、

である(広辞苑・精選版日本国語大辞典)。

「戒」 漢字.gif


「戒」 金文・西周.png

(「戒」 金文・西周 https://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%88%92より)

「戒」(漢音カイ、呉音ケ)は、

会意文字。「戈(ほこ)+両手」で、武器を手に持ち、用心して備えることを示す。張りつめて用心する意を含む、

とある(漢字源・角川新字源)。別に、

会意文字です(廾+戈)。「左右の手」の象形と「矛(ほこ)」の象形から、武器を両手にして「いましめる」を意味する「戒」という漢字が成り立ちました、

ともあるhttps://okjiten.jp/kanji1287.html

参考文献;
藤堂明保他編『漢字源』(学習研究社)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル:持戒 持律 五戒
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