2023年09月28日

善逝(ぜんぜい)


善逝(ぜんぜい)、

は、

ぜんせい、

とも訓ますが、「薬師如来」で触れたように、

東方浄瑠璃世界の教主、醫王、善逝、忽然として、來り給へり(太平記)、

と、

薬師如来の異名、

ともされる(大言海)が、

善く逝った者、

の意の、梵語、

須伽陀(スガタ sugata)、

の漢訳、

上昇最極、永不退環、故名善逝(大乗仏教の瑜伽行派の論書「瑜伽論(ゆがろん 瑜伽師地(しじ)論)」)、
謂、以無量智慧、能斷諸惑、妙出世閒、能趣佛果、故號善逝(明代の仏教書「大蔵法數(だいぞうほっす)」)、

と、

迷いの世界をよく超え出て再び迷いに還らない者、

の意、

俗人の諸惑を断じ、世閒を出て、佛果に赴くものの称、

つまり、

仏に対する尊称、

である、

仏の十号、
または、
如来の十号、

と呼ばれる、

仏十号(ぶつじゅうごう)、

のひとつである(仝上)。十号には、「善逝」のほか、

如来(にょらい)、応供(おうぐ)、正徧知(しょうへんち)、明行足(みょうぎょうそく)、世間解(せけんげ)、無上士(むじょうじ)、調御丈夫(じょうごじょうぶ)、天人師(てんにんし)、世尊(せそん)、

があり、「如来」で触れたように、おのおの、

如来 tathāgata 真実に達した者、人格完成者、
応供(おうぐ) arhat 尊敬を受けるに値する者、阿羅漢。
正遍知(しょうへんち) samyaksambuddha 正しく悟った者、
明行足(みょうぎょうそく) vidyācaraṇasaṃpanna 知恵と行いの完成者、
善逝(ぜんぜい) sugata よく到達した者、しあわせな人、
世間解(せけんげ) lokavid 世間を知る者、
無上士(むじょうし) anuttara このうえなき者、
調御丈夫(じょうごじょうぶ) puruṣadamyasārathi 教化すべき人を教化する御者、
天人師(てんにんし) śāstā devamanuṣyānāṃ 天や人に対する教師、
仏世尊(ぶつせそん) buddho bhagavān 真理を悟った者、尊き人、

で、「仏世尊」を「仏」と「世尊」に分ければ十一号となる(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%8F%B7・ブリタニカ国際大百科事典)。

仏陀.jpeg


なお、広く、

お釈迦さま、

呼ぶが、

釈迦、

は古代インドの種族の名前になり、

ゴータマ・シッダッタ、

という呼び名の、

ゴータマ、

も、

種族の別名、

になる。

シッダッタ、

が名前で、

悉達多、
悉達太子、

などと音写される。この意は、

すべての目的を達成した、

とされるhttp://tobifudo.jp/newmon/name/hotoke10.html

釈尊、

は、

釈迦族の尊者、

という意味で、

釈迦牟尼世尊、

の略、

牟尼、

は、

聖者、

の意味、

世尊、

は、

薄伽梵(ばかぼん)、

と同意とある(仝上)。

プッダ、

という呼称は、

めざめた人、真理を悟った人、

の意である(仝上)。

ガンダーラ佛.jpg


参考文献;
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

posted by Toshi at 03:49| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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