2024年04月02日
鶴髪
宛轉娥眉能幾時(宛轉たる娥眉、能く幾時ぞ)
須臾鶴髪亂如絲(須臾にして鶴髪(かくはつ) 亂れて絲の如し)(劉廷芝・代悲白頭翁)
の、
鶴髪(かくはつ)、
は、
鶴のように白い髪、北周の庾信の「竹杖の賦」に、老人を形容して、「鶴髪雞皮」とあるのにもとづく、
とある(前野直彬注解『唐詩選』)。つまり、
鶴髪(かくはつ)、
は、
鶴髪雞皮
蓬頭歷歯(庾信(ゆしん)「竹杖賦」)、
と、
白髪(しらが)、
の意である(大言海)が、
鶴髪童顔、
童顔鶴髪、
という言い方がある。
頭は白髪であるが、顔がつやつやして子供のようであること、
また、
そういう人、
を指して言う(広辞苑)。
老人の元気のあること、
老いてなお精気盛んなこと、
である(新明解四字熟語辞典)。
鶴髪、
を訓読した、
鶴の髪(つるのかみ)、
という言い方もする(広辞苑)。
劉廷芝(りゅうていし)、
の、
廷芝、
は字、
庭芝、
とも、
劉希夷(りゅうきい)、
として知られるが、一説に、
名が庭芝で字が希夷、
ともいわれる(ブリタニカ国際大百科事典・https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%89%E5%B8%8C%E5%A4%B7)。
代悲白頭翁、
の、
年年歳歳 花相似たり
歳歳年年 人同じからず
がよく知られている(前野直彬注解『唐詩選』)。
「鶴」(漢音カク、呉音ガク)は、
会意兼形声。隺(カク)は、鳥が高く飛ぶこと、鶴はそれを音符とし、鳥を加えた字。確(固くて白い石)と同系なので、むしろ白い鳥と解するのがよい、
とある(漢字源)。別に、
会意形声。鳥と、隺(カク)(つる)とから成る(角川新字源)、
会意兼形声文字です(隺+鳥)。「横線1本、縦線2本で「はるか遠い」を意味する指事文字と尾の短いずんぐりした小鳥の象形」(「鳥が高く飛ぶ」の意味)と「鳥」の象形から、その声や飛び方が高くて天にまでも至る鳥「つる」を
意味する「鶴」という漢字が成り立ちました(https://okjiten.jp/kanji2168.html)、
などともある。
参考文献;
大槻文彦『大言海』(冨山房)
前野直彬注解『唐詩選』(岩波文庫)
ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95
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