遊び

遊びという言葉がふいに浮かび,『梁塵秘抄』の有名な, 遊びをせんとや生れけむ,戯れせんとや生れけん,遊ぶ子供の声きけば,我が身さえこそ動がるれ が続いて浮き上がってきた。しかし,遊び,というのは, 遊び,遊興,なぐさみ, の他に, 仕事や勉強の合間, 気持ちのゆとり,余裕, 機械の部品と部品の余裕, といった意味がある。では,「遊」という字はど…

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一貫性

どうも, 一貫性, という言葉に弱い。始めから終わりまで一つのこと,あるいは考えを貫く, 一念岩をも通す, というし, 虚仮の一心, とも言う。あるいは, 匹夫も志を奪うべからざるなり, と孔子の曰われるのも,その伝だろう。 しかし,たぶんまれだから,そういうのだろう。どうも,しかし,振り返ると,それほどの一貫性のある生き方ではない。たと…

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転倒

少し前,ものの見事にひっくり返った。何が起きているか,一瞬わからなかったが,気づくと,あおのけに床に倒れていた。幸か不幸か,頭を打たず,腰で,全体重を支えたらしい。 風呂で使う木製の椅子を,踏み台代わりにして,高いところをちょっと拭こうとして,背伸びした瞬間,その踏み台が,ひっくり返り,見事に,放り出された,というわけである。 その一瞬に,空白はないが,思い出すと,倒れるところが…

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見切る

ことの重大さも弁えず,なんとなく勢いで言ってしまって,周囲を震動させる,ということが,若いときにはある。 思い当ることが三つある。ひとつは,かつて勤め人時代, 人事に対する批判を公言した, たぶん,直感的に理不尽だと思ったからだ。詳細はともかく,大阪へ責任者として行ったものが,半年足らずで更迭された。そのことを言ったのであるが,それがトップの虎の尾だったらしい。つけは,自分…

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発心

発心とは, 菩提心を起こすこと, とある。そこから,あることをしようと,思い立つこと, 発意 とある。 発心などと殊勝な気を起こしたこともないし,何かそんな大げさな決意をした覚えもない。確かに,何かを心願することはあるが,さほどの重みがない。 生来の怠け者だから,なかなか,思い立って,などという健気で殊勝な心根の持ち合わせがないせいかもしれない。 な…

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品位とか品格とか品性という使われ方をする, 品について,調べていると, 音自体で, ヒン(漢) ホン(呉)  しな[訓] と分かれ,たぶん伝来(当然時代も違うが)によって,由来が異なるらしい。当然意味が少しずつ違う。 語源では,中国語源では, 器物を並べる で,品物の意味とある。 当然,品にちなんで, 物や人の質によって分けた等級 …

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店仕舞い

店仕舞いというのは,開店というか,店を張るよりもはるかに難しいと思う。店仕舞いは,例えば,僕には経験はないが,定年退職とは違う。転職の退職とも違う,と思う。後始末ということではないのだ。 そのことについては,し残したことについて, http://ppnetwork.seesaa.net/article/392762774.html で触れた。しかし,これとも少し違う。 …

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趣味

一般には, 趣き(おもむき)+味(あじ) で, おもしろみ, 興味をそそられてするもの, を意味する。そして,tasteあるいはhobbyの役として使われる,と。で,ウィキペディアでは,二つの意味を挙げている。 ①人間が自由時間(生理的必要時間と労働時間を除いた時間、余暇)に,好んで習慣的に繰り返しおこなう行為、事柄やその対象のこと。道楽ないしホビー(英:…

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いい歳

いい歳をして, とか いい歳こいて とか言われたりする。 ある言動について、そういったことをする年齢でもないだろうに、といった意味合いを込めて言う表現。年不相応に。半ば非難の意味で、あるいは諌める意味で用いられる場合が多い。 相応の分別ができていい年齢,その年齢にふさわしくない行為や状態をあざけっていう語, とある。あるいは, 年不相応に言動が稚拙だ…

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ひとごと

ひとごとは, 他人事 と書く。 昨今自分のことを,ひとごとのように語る印象がある。しかし,それは,自分を対象化して,客観的に語っているようには見えない。そうではなく,自分を, 自分 というように,おのれをちょっと脇に置いて語っている,という感じなのである。主体としてのおのれではなく,ラベルとしてのおのれ,のように見える。それを感じたのは, 「親」 と…

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老い

老いは 不治の病 という。誰もが避けられない。 「おい」の語源は, 「老ゆの連用形(名詞化)」 で,「老ゆ」は, 「大+ゆ(自然に経過してそうなる)」 であろうとされている。で, 季節が終わりに近づく 意にも転じている。 老 は,象形文字で, 年寄りが腰を曲げてつえをついたたまを描いたもの とする説がある。別説に,…

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はしたない

はしたない は, 端ない と書く。 「ハ(端・余分)+ナイ(甚)」 で, ・慎みがなく,礼儀にはずれたり品格に欠けたりして見苦しい。みっともない。 ・どっちつかずで落ち着かないさま。中途半端である。 ・間が悪く,恥ずかしい。ばつが悪い。 ・自分に向けられる他人の言動を,不快に感じたり迷惑に思ったりするさま。 ・人に対する配慮が欠けるさま。つれない。…

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筋を通す,ということを言うとき,いくつかの意味がある。辞書だと, 道理にかなうようにする, 物事の首尾を一貫させる, といった意味になる。道理にかなう,というのは, 人の行いや物事の道筋が正しく,論理的であることを意味する表現。合理的であること, 「理にかなう」とも言う, とある。で,筋を通す,には, 全体を通じて論理的なおかしさのないようにすること, …

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正直

今年のテーマは,正直。 正直は,中国語の, 正しく+素直な というのが語源であるそうだ。平安の頃から使われているらしい。常識的には, 心が正しく素直なこと,陰日向のないこと。 率直なこと。ありのまま。 という意味だが,その他に, 桶屋の用いる長さ1.2m鉋。木をその上に乗せて,推して削る とか 家屋・柱などの垂直を検査する具で,長い木の上下に同じに長…

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自責

かつては,自責化という言い方で, ①自分が主体になって解決する。もちろん必要なら,メンバーや上位者の支援を求める。その判断も自責である。 ②自分に解決できるカタチに置き換える。こういうカタチなら,ここまでできるという判断がつけられる。 と,仕事に置ける,自己責任の取り方を,常々おのれに言い聞かせてきた(それが常にできたとは言わないが)。それは,生き方においても同じなのではないか…

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翁長知事

ほとんど知られていないが,国連のB規約(市民的および政治的権利)人権委員会は日本政府に対し, 「琉球民族にアイヌ民族と同様に『民族の言語、文化について習得できるよう十分な機会を与え、通常の教育課程の中にアイヌ、琉球・沖縄の文化に関する教育も導入』し、さらに『琉球民族の土地の権利を認めるべきだ』」 と求めた。B規約(市民的および政治的権利)人権委員会からの勧告とは, 「『市民…

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後生楽

後生楽, という言葉があるらしい。 「ごしょうらく」 と,読む。出典は知らないが,意味は, 後生は安楽と思って安心すること, 心配事も苦にしないで、のんきなこと。また、そのさまや、そのような人。ののしったり、しかったりするときにもいう, とある。もともと, 「後生」の意味から,派生したに違いない。「後生」とは, 今生 や 前世 に対する言…

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恥 というのと, 恥ずかしい, とか 恥じらう, というのとは,もちろん,和語か中国語かの語感の差もあるが,随分印象が違う。しかも「はじ」と読ませて, 羞(恥じて眩く,顔の合わせがたきなり), 恥(心に恥ずかしく思う), 愧(おのれの見苦しきを人に対して恥ずる。醜の字の気味がある), 辱(はずかしめ,栄の反対。外聞悪しきを言う), 慙(はづると訓むが,はぢ…

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ほうほうのてい

「ほうほうのてい」は, 這う這うの体, と書く。 いまにも這い出さんばかりの様子, 散々な目にあって,かろうじて逃げる様子, という意味である(『広辞苑』)。『日葡辞典』では, ハウハウノテイニテニゲタ, とあるそうだから,本来は, 這う が訛ったものなのだろう。『古語辞典』には, はふはふ, として, やっとの思いで歩くさ…

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どこか遠くへ

昔, いまでない,いつか, ここでない,どこか, これではない,何か, という思いを, どこか遠くへ, 地図にない世界へ, でも,地図にない世界の地図がない, と,自己撞着したフレーズで(おのれの憧憬)揶揄した記憶がある。もう遠い昔のことだ。人は知らず, いつも,もっといいものがある,という思いで,いた。 もっと知りたいことがある, もっと面白い…

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