2013年05月18日

学ぶことと生かすこと



先日,女性の社会的自立を応援するお稽古ポータルサイト
「Himmel Rich」(http://www.himmel-rich.com/
を運営されている荻野久美子さんのトークライブ「第1回 女性のミカタ,ヒメルリッチ代表荻野久美子が描くミライ」に参加させていただいた。

http://www.facebook.com/home.php#!/events/417513181672950/

女性のスキルアップのための,おけいこポータルサイトでは,受講生(ニーズ)と講師(コンテンツ)とをつないで,バーチャルサイトで,それを実現する,という。ときと場所を選ばす,女性が自分磨きをしていくことができる。特に,子育てのためにいったん離職した女性が,再度復帰していくために,スキルがいる,女性自身も,会社に自分を受け入れてもらえるように努力する必要がある,スキルがあれば,働く場はある,しかしそれを学ぶには制約が多すぎる,そんな問題意識を,アバターの話を聞いたのを機に,このモデルに具体化したという。

働きたくても働けない女性が,360万人。この人々が働けば,7兆円になる。

しかしそのための女性のスキルアップの機会と場を提供する,そのためか,いま一番人気はプレゼン力,だという。

女性のきめ細かさという特徴が,表現力不足で使われない,
スキルを磨いても,それをきちんと評価してもらえない,

上司や周囲にきちんと自己を表現する,女性ならではのプレゼンテーション能力は意味がある気がする。

ただ,少し気になるのは,現実には,スキルは,座学で,知識として修得するだけでは使い物にはならない。現実へ橋渡しするための,体験という場がどうしてもいる気がする。でないと,スキルは,その知識と変わらない。

ライルではないが,その人の「知ってる」には,「knowing that」(内容を知っている)と「knowing how」(その方法を知っている)がある。特に,「knowing how」は,やり方を知っていても,やれなくては意味がない。自転車にどう乗るかがわかっていても,乗れなければだめだし,乗る場数で,スキルは上がる。

場数というのか,応用力というのがつかないと,そのスキルは生かせない。そういう機会,シミュレーションとしてどう自分のスキルの実践力を試す,という場がいる。ケーススタディのようなものがあるのかもしれない。それがないと,実践力とは弱い気がする。

もう一つは,アージリスの言う,「アビリティ」と「コンピタンス」の違いである。

能力には,それぞれの人がおかれた状況において,期待される役割を把握して,それを遂行してその期待に応えていける能力(コンピタンスという)と,英語ができる,文章力がある等々といった個別の単位能力(アビリティという)がある。どれだけスキルを積んでも,それをどういう場で,どういう形で使っていくかは,そのチーム,職場での自分のポジショニングがつかめないと,スキルがあっても,ときと場所を間違えると,じゃまものになる。それではチームに居場所がつかめない。自分のおかれている状況を把握し,自分のなすべきことを把握して,関わっていく,そういうのも,実は働く場では,不可欠になる。その勘というかセンスが,現場から離れると,鈍る。

増田弥生さんの例を思いだす。

増田弥生は,新人のころ,競合他社の製品情報をスクラップをする仕事をさせられていて,やがて,

よくある質問や問い合わせのパターンがだいたいつかめてきました。そこで,私は競合他社の製品情報をまとめて「月報」を出すことにしました。

といっている。何気なく言っているが,これがコンピタンスである。自分は,そこで何をすることが必要なのか,そのために自分は何をすべきか,その結果,指示された仕事を超えて,というかその本来の目的をより達成するために,自分で「月報」にすることを決めて,

切抜き記事を基に,毎月,短いレポートを手書きで書いて,職場で配ってみたのです。

当然「誰からも頼まれたものではないので」無視する上司もいるが,ほめてくれる人もいる。そこで止めてしまってもいいのだが,増田さんは,さらに,質問や問い合わせが来た時,自分が席にいないと対応できないと考えて,

過去の切抜きを競合別・機種別情報に分類してファイルし,…ファイルは次第に整備され,増えていきました。どこかにまとめておきたいなと思って探してみると,

とさらに目的にかなうように工夫をし,遂に,場所を見つけ,

管理課長さんに直接かけあってみたところ,使ってよしと許可がえられましたので,自分で棚を整理は,ファイルを並べました。

これをリーダーシップという。つまり人を動かして,それを実現してしまうのである。自分の仕事の意味づけをし,それをするために何をしたらいいかを考え続け,そのために,上位者を動かす。下の人間の発揮すべきリーダーシップの典型である。

これをセンスという言い方もできる。しかし,これを単なる個性や能力といってはいけない。ビジネススキルなのである。これがなければ,たとえば,ファイリングスキルをどれだけ学んでも,実践には役に立たない。

ここまで来ると,男女は関係ない。しかし,女性にこそ不可欠なのだ。女性を萎えさせる見えない障壁を突破する原動力になるのだから,何十年も前,もっと厳しい中で,増田さんがやったことは,やろうとすればできるのである。そこを,どうマインドとして身に着けるかが,スキルを生かすには不可欠なのではないか,そう感じた次第である。

参考文献;
増田弥生『リーダーは自然体』(光文社新書)
G・ライル『心の概念』(みすず書房)

今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm


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posted by Toshi at 04:52| Comment(148) | リソース | 更新情報をチェックする