語る芸

先日,ACT寄席「桂扇生独演会」に参加する機会があり,久しぶりにたっぷり三席,「野晒し」「抜け雀」「三軒長屋」を聞かせてもらった。 http://www.facebook.com/home.php#!/events/518641234844985/519466041429171/?comment_id=519519814757127¬if_t=event_mall_comme…

続きを読む

噺と語り

先日機会があって,三代目・三笑亭世楽師匠とご一緒させていただく機会があった。同席させていただいた方々のように,当意即妙で話す力はないので,もっぱら聞き役であったが,その中で,落語家は,その人物になりきらない,ということを聞いた。むしろそれは落語家としてはだめなのだ,という。 むしろ落語家,というより噺家のほうがいいか,噺家はいわば監督(というより演出家のほうがいいか)あるいはプロデュー…

続きを読む

演出

先日聴かせてもらった落語会で,前座(柳家こはぜ)と真打(その師匠の柳家はん治師匠,古今亭志ん陽師匠)の噺を聞き比べる機会があり,その違いを,よく分かりもしないのに,素人なりに,考えてみた。明らかに間や話しぶりに差はあるが,それ以上に違うのは,話の構成だと感じたのだが…。 以前,噺家は,演者であると同時に,演出家でもある,あるいはプロデューサーである,と聞いたことがある。 http…

続きを読む

台詞

先日,柳家さん生独演会「落語版・笑の大学」をうかがってきた。 正直に言うが,僕は,『笑の大学』の三谷幸喜氏が,嫌いである。彼の無器用なところが,誠に僭越ながら,自分を見るようで好きになれない。 古くて申し訳ないが,別役実の『にしむくさむらい』の発明家のもつブラックユーモア,つかこうへいの『熱海殺人事件』の冤罪取り調べのパロディ,同じく『いつも心に太陽を』のホモセクシュアルマインド…

続きを読む

さげ

予定が詰まっているのに,無理やり,桂扇生独演会, https://www.facebook.com/events/223799271148682/?ref_newsfeed_story_type=regular に参加し,蒲田から四谷三丁目まで駆け足で駈けつけた。 不思議で,会場へはいった瞬間,すでに第二席が始まっていて, 笑い, がどっと押し寄せたが,そこから…

続きを読む

小三治

広瀬和生『なぜ「小三治」の落語は面白いのか?』を読む。 小三治 と呼び捨てにしていいのかどうかわからないが,その方が師匠というよりは,親近感がある。 著者は柳家小三治の追っかけである。 「1970年代から落語を聴き始めて,僕は随分と小三治の高座を老い掛けてきた。古今亭志ん朝や立川談志も追いかけたが,単純に『ナマで聴いた回数』だけで言えば小三治が一番おおいだろう。」 …

続きを読む

テンポ

ほぼ一ヵ月ほど前になるが,久しぶりに柳家一琴の会にお邪魔して,噺を二席うかがった。 いつも思うのだが,落語の語り口,あれは江戸弁なんだろうが,あのテンポは小気味いい。たぶん,ふだんの江戸っ子のしゃべり方を,もっと洗練させたたというか,研いだ形なんだろうと思う。 あのリズム,テンポが江戸っ子の気風をあらわしている。 テンポとは,時間である。拍をどれくらいの速さで打つか,である…

続きを読む

寄席

先日,時間が明いたので,珍しく寄席に出かけた。上野鈴本演芸場で,終わりまで,ずっと聴かせていただいた。途中から入ることが多いので,前座から,通して,昼の部を聴き通すというのは,実は初体験。はじめは十人もいなかった,それが少しは増えたが,さすが,平日の昼間,そうそう暇人はいないようである。倍になったかならないか,演者の誰かか, 前に詰めると,二列で収まる, と笑わせたが,まあ,そん…

続きを読む

三悪

先月のことになるが,柳家一琴の会 https://www.facebook.com/events/369015836592906/?pnref=lhc.recent にお邪魔してきた。ねたは, 一琴さん 『突き落とし』『厩火事』 ゲストの笑福亭銀瓶さん『ちはやふる』 「突き落とし」は, 郭に上がって,散々飲み食いし,「棟梁(を騙っている)」の家まで来てくれれば…

続きを読む

まくら

「まくら」は,落語で言うそれは, 「頭に置くものの,洒落」 が語源という。一般には, 「落語はマクラと本編、そしてオチで構成されています。この3つを、それぞれ独立させることなく、一連の流れで話します。この流れで一席の落語ができあがるというワケです。」 と説明される。実は,厳密に言うと,その前に,マエオキというのがある。 「えー,一席お笑いを申上げます」 と…

続きを読む

六日知らず

落語の,『片棒』を聴いていて, http://ginjo.fc2web.com/81katabou/katabou.htm 「けち」の言い回しで, しみったれ,あかにしや,六日知らず, 等々と出た。で,六日知らず,を調べると, 「朔日、二日、・・、五日と指を折るのは良いが、六日から指を開いていくのはせっかく得たものを手放すようでいやだ」 という意味,と出て…

続きを読む