吉本隆明の後姿

加藤典洋・高橋源一郎『吉本隆明がぼくたちに遺したもの』(岩波書店)を読む。 考えてみれば,十代から,ずっと,吉本隆明の著作に,つかず離れず,付き合ってきた。珍しくほとんどの出版物を読んだ作家の一人だが,とても僕のような非才には理解はでき兼ねるが,「世の中の正しい」ということに,いつも違う視点から異を唱えていた印象がある。 記憶で書くので間違っているかもしれないが,「吉本がいるなら…

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架空問答(中斎・静区)

大塩中斎については、「万物一体の仁」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/475454613.html?1591380773)で触れたが、大塩平八郎中斎は、天保八年(1837)二月一九日(三月二五日)に門人と共に蜂起する。その檄文に曰く、 四海こんきういたし候ハゝ天禄ながくたゝん、小人に国家をおさめしめば菑害并至と、昔の聖人深く天下後世、人君人の臣た…

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