2013年11月09日

テーマ


先日,「第5回 女流漫画家,渡邊治四先生から学ぶ,キャリアアップの為に必要なこと」に参加してきた。

https://www.facebook.com/events/166343253569860/?ref_newsfeed_story_type=regular

毎回,クリエイティブな仕事の内奥に入るが,今回は更に,「ビジネスと漫画を融合させる」漫画家としての渡邊治四さんの仕事への取り組み姿勢というか,仕事の仕方そのものに踏み込んだ話を伺うことになった。

印象深いのは,

マンガかを目指す人は,キャラクターを描きたい。そこで,そのキャラクターと他の人との絡みから書き進むと全体が書ききれないで,破綻する,

という例だ。素材から料理をつくりあげるには,相当料理の力がないとできない。で,逆に,どういう料理を作るかを先に考えて,素材の使い方を決めるところから始めるのがいいのではないか,とは専門学校の講師でもあるご自身が(初心者に進める)方法論だ。

で,ストーリーをまとめていくための基本手順(一気にできることもあるのだろうが,こうすれば必ずできるという御自分のノウハウ)を,

①まず全体象をまとめる
 ・ターゲット
・何の目的で何を伝えたいか

②それを分割していく
・どのボリュームに何を入れるか
・構成(設計図)

③キャラづくり

④話づくり(ネーム)
 ・エピソードに分ける
 ・必要なエピソードと量の調整

と板書された。

これは,考えたみたら,ファシリテーターの飯塚和秀さんも指摘していたが,いわば,プロジェクトや大きな目標達成をしようとする時の,目指すワークのブレークダウンに似ている。典型的なのは,WBS(ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー)で,プロジェクトの成果物をできるだけ細かい単位に分解していく。全体を大きな単位に分割してから,それぞれの部分についてより細かい単位に分割していき,階層的に構造化していく…。

いつもこうしているというより,こういう基本ステップを持っていると,行き詰まったときには,ここへ立ち戻ればいい,ということのように伺っていた。

この前段に,(いつものように)「フックをかける」というキーワードが出てきていて,それを,

(着想・アイデアが)天から降りてくるのを待つのではなく,こっちから山を登っていく。そのときにフックを掛けながら登っていく,

と説明された。自分から主体的にアイデアや着想をつかみに行くときのその操作そのものを,

フックを掛ける,

と表現されているが,そこには多様な意味が汲み取れるが,上記ストーリー手順は,その一つの例なのだ。たとえば,

ひとつは,日常的な問題意識の積み重ね,たとえば,気になること,違和感,,気持ち悪さ,という表現で示された,自分に起きる感覚的に引っかかったものを,掘り下げておくこと,

もうひとつは,テレビの芸人やアスリートの考え方を,借りる,

いまひとつは,前述のような自分なりの手順ややり方のパターン化(ノウハウと言っていい)

等々自分の中に引き出しを一杯用意して,それを手がかりに,たどりつこうとする考え方,と僕は受け止めた。考えてみれば,人は大なり小なり,自分のポケットを持っていて,それをそのまま使ったり,リフレームしたり,別のものとリンクさせたりしながら,考えている。そして,いつもの使い慣れた要素以外のものとつながった時,ひらめきが大きくなる,ということになるのだろう。

僕はクリエイターでも作家でもないので,ここからは想像になるが,

ひとから依頼されたにしろ,自分が思いついたにしろ,最初に,

企画テーマ

らしいものが与えられる。それを漫画にするにしろ,論述にするにしろ,それをそのまま展開するのではなく,それを,自分なりに,

どういう切り口で,

何を中心(軸)に,

書(描)いたら,その「企画テーマ」に応えることになるか,を考える。

それによって,

展開する世界(流れあるいは全体像)

が見える。場合によっては,

キーフレーズ,



キーになる言葉,

がその視界を開くこともある。僕はそれを,パースペクティブと呼ぶ。その際,「企画テーマ」の狙いや目的,媒体の性格などを勘案しながら,

どういうシチュエーション(舞台)で,

誰(と誰)が,

いつ(からいつまで)

何をしたか,

等々の具体的な展開を考える(望める,見える)ことになる。そのとき,「企画テーマ」とは別に,その「作品」(文章でも漫画でも)そのもののテーマが明確になる(具体的に書いていくうちに,少し変わるので,最終的には,最後にタイトルが決まるときに,確定する)。

僕は,「テーマ」は,その意味で,書き手には大事なものなのだと信ずる。その意味では,上記のストーリー手順の,「何の目的で何を伝えたいか」は,テーマというより,依頼趣旨の確認であって,それを受けて,作品をまとめていく時,「テーマ」が明確になっていくし,なっていかなくてはならない,と思う。

それが「作品」を自立して,依頼の趣旨や現実から乖離して,独立した世界を持つ鍵なのだと思う。ある意味,「企画テーマ」は,モチーフに過ぎない。そこから「テーマ」を導き出すプロセスが,書き手のクリエイティブな作業のプロセスなのではないか,と感じた。

同じことを,しかし,仕事をしている時に,大なり小なり考えている。例えば,何か企画しようとするとき,企画を求められたとき,「テーマ」(何をするか)が決まった時,はじめて仕事のパースペクティブ(視界)が開く。それがなければ,言われた通りやるか,右から左へ流す仕事しかしていないことになる。つまり自分の仕事と呼べるものをしていないことになる。その意味で,「何をするか」(それの意味づけとして,「何のために」(目的)がなければテーマは宙に浮くが)は不可欠だと思う。そうでなければ,企画のための企画になり,「企画ごっこ」に陥る。パワポを使う人がよく陥る「プレゼンのためのプレゼン」と同じだ。



今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm



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posted by Toshi at 06:46| Comment(5) | クリエイティブ | 更新情報をチェックする