匍(は)ひた廻(もとほ)る
みどり子(こ)の匍(は)ひた廻(もとほ)り朝夕(あさよひ)に哭(ね)のみぞ我(あ)が泣く君なしにして(余明軍)
は、詞書(和歌や俳句の前書きで、万葉集のように、漢文で書かれた場合、題詞(だいし)という)に、
天平三年辛未(かのとひつじ)の秋の七月に、大納言大伴卿の薨ぜし時の歌六首、
とあるうちの、資人(しじん 官位・職分に応じて朝廷から賜う従者)余明軍の五首のうちの一首、
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生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか